新建築1月号

  • 2010.01.03
  • BLOG


槇文彦さんの、ペンシルバニア大学、アネンバーグパブリックポリシーセンターだそうです。
やはりもう、20年くらい前までの建築の緊張感が全く感じられないのは残念な事ですが、アトリエ事務所の宿命と言うしかないでしょうね。。
歴史のある大学で、歴史を重ねて来た建築たちに囲まれて、さらに軽薄に見えてしまっていますが、それはあるいは槇さんのご年齢のためだけではなく、時代の軽薄さが表出してしまっているのかもしれません。エコだ環境だ言って、数値化できなければ評価されないような時代の中で、槇さんがずっと言ってこられた「時間」の経過の中で評価されるべき建築というのは、居場所がなくなりつつあるのかもしれません。
また2010年ということで「次の10年に向けての提言」が建築家たちから記されていました。
林昌二さんの「(建築物の)寿命を設計できないとすると、そもそも『行く末の知れないものを生み出す』のは無責任な事ではないでしょうか。それにしては、みんな心配した顔もしないで陽気に毎日を過ごしているのは見事な事です」という言葉に対し、他のほとんどの方が、ここで言う「陽気な」言葉を連ねているのがとても気になります。
あとは原広司さんの「自らの能力の欠如を認識し、新しい諸科学の理論を身につけた若者たちを、次の次の10年に備えて教育すべきである」という言葉以外には、われわれ建築バカの世界外に届く言葉は無いように思え、建築というものは、今後より益々、道具と成り下がってしまうのではないかと悲しく感じます。
僕はというと、どこかで聞いたような、、小さな事からコツコツと、時間の経過を喜んで受け入れるような建築や、人生をやってゆこうと思います。
「エイジング」というのは今ほどんど悪い言葉としか受け止められていないと思いますが、建築も人間も、年を重ねて更に魅力的になるような、カッコエイジング(適当な下らない造語です)が今後のテーマかな(笑)
明日からまた仕事。今年も頑張ります。