手玉にとられた美術館

  • 2020.01.20
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久々に映画のこと書きますが、ひねくれ者の方にはとても面白いと思いますw
さらにこれはドキュメンタリーでこれが本人、マーク・ランディスさん。
彼がやったことは有名な絵画の贋作を自ら作って美術館に本物らしく寄贈を続け100以上のものが贋作だと気づかれないまま多くの美術館に展示され続けた。
お金ももらわないし悪意もなかったようだが、美術館側は権威を失墜させられたと怒るが、お金もらったわけでもなく犯罪にもならず。
でも大きな話題にもなり、彼の贋作たちの展覧会まで催された。

僕が面白いと思ったのは、常々、特に西洋の有名な芸術家の作品が何十億とかとんでもない値段で取引されていることがアホらしいとしか思えず、それを展示して、絵画の価値も分からん庶民が行列して、結局美術館も儲けるという、そのアホらしい構図を蹴飛ばす力があったから(だから彼らは怒った)
そして彼は少し精神的な問題を抱え続けているけど(いるから?)類い稀な模写?能力とそれを生み出す根気を持っていて、それがプロも騙されてしまったからこんな大問題になったのだが、その製作方法は決してオリジナルと同じでなく、コピーした上にいろんなものを彼なりに塗りたくったりして作ってしまったようだけど、そもそも「模写」がいかがわしいことと言えるのか?という問題も再考しないといけないと思う。
僕は、文化としての芸術はもちろん大切だと思うし、そのために作家がきちんと評価され、対価も受けることは将来芸術家を目指す人たちのためにも必要だと思うけど、上記の美術品のアホみたいな値段は作家の手に渡るわけではなく単なる投機対象でしかないし、逆に言えば芸術を侮辱しているとも言える。

音楽はホールで聴くもの、芸術は美術館で見るもの、という既成化しかけている概念を一度ぶっ壊して、身近に音楽や芸術が溢れている世の中にして、そこから生まれ育つ音楽家や芸術家は、きっと今よりずっと世の中や僕たちを豊かにしてくれるんだと思うしそうなれば良いと思う。