悩んでます

  • 2009.03.15
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今日お話してきたのですが、いろいろ案をつくってきて、少し決めてがなく、ちょっと素直で健全な(もちろんいつも健全なつもりですが)発想に戻ってつくってみた案をお渡ししてきました。
建築というのは、内部空間とともに、全地下でもなければ必然的に外形が生まれるわけで、もちろん両面から考えるにせよ、どちらかに重点が置かれることなることもあり、そこが悩みの種です。
僕はどちらかと言うと外形を重視するほうだとは思いますし、嫌でも多くの人の眼に触れるという理由もあれば、その建築が永く在り続けるためには、風雨に耐え、また愛される外観である事が重要だと思います。
前の案は喩えるとピラミッドのような自己完結生の強い形で、その分多少、内部に制約が出てしまっていたものに対して、今回は、日本の住宅の素直な在り方として東西に出来るだけ長く、南面の開口をとり大きな軒を出すという風に考え、やはりとても暮らしやすいように出来る確信はあるのですが、やっぱり建て主さんも僕も、前案の形の面白さに未練?があり、結局前の案をできるだけ良くする方向でとにかく詰めてみてから決定するようにしてきました。
やっぱり、形って大事だと思います。
家具でも、食器でも、グラスとかでも、機能を超えて美しいものは大切にされますし、使っている時には気持ちが良いものなので、長い目で考えれば、それが多少高いくらいなら問題なく思ったりもします。
そんな事を重視せず、経済的な価値だけを追い求め、作っては捨て、新しいものを求めるような世の中にしてしまったからこそ、経済の浮沈にこんなに影響されるのではないかと思います。
と、こんな所で世の中を嘆いても何も変わらないので、僕は建築のプロとして、ひとつひとつ、大切にしてもらえるような建築をつくってゆくしかない!と思ったりします。