小さな平屋。への掲載

  • 2020.02.23
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昨年の春、竣工後まもなく掲載の打診を頂き、やっと発売とのことですが、13の平屋たちを丁寧にまとめられていて、本当に大変な作業だなあと思いました。こうやって他の方たちが設計したものと並列に並べられる、というのは自分の立ち位置を客観的に示されるようなところがあり面白い経験なのですが、でも当然かとも思いますが、私を含め皆さんがそれぞれの美意識の結晶として作られているものですから、私も含め、皆さん「自分のが一番だ」と思うものだと思います。親バカのようにw
つまり自分で自分のことは評価できないものなので、ぜひお買い求めいただいて比べていただきたいのですが、良い悪いは別として、僕の作り方はちょっと変わっている?ようです。
その理由の半分は、浜松という比較的温暖で、敷地が広く確保しやすい場所で設計しているということで、逆にいうと、もし本誌をご覧いただいてもしご依頼をされようと思われても、寒冷地や都市部の方でしたら、私はおそらく適任ではないでしょうということでもあります。
あとの半分は「木の素朴さを抑えたモダンなあしらい」と私の分のタイトルについてますが、木構造を含め木材をたくさん見せつつ「モダン」に見せるというのは実はそんな簡単ではないのですが、それを実現したいと思っているのは確かで、「ガラスとコンクリートで作られたミッドセンチュリーのモダン住宅に通じるものがある」と評されたのは実は全然意識はしていなかったのですが、改めて見比べると、外部の自然をより感じるために建築はシンプルなフレームとしてむしろ没個性化させているようなところは同じ感性なのかと思いました。
そして上記の2点を目指している理由は、デザイン的な重苦しさや不要な個性を抑えて、視線の引っ掛かりを無くすことで精神の広がりを感じる。というか、外部に視線が気持ちよく抜け、庭や空を感じたいから、とうか。。
だからと言って、天井もツルっと白くしていわゆる「ミニマル」なものにすれば良いかというと、あれはあれで強い個性で、僕はどうも落ち着かず、こうやって木造や木材を見せた方が「目のやり場」としてより優れていると思っているのですが。。まあ簡単には説明は伝わらないと思いますが、こうやって私の理想の実現に理解を頂いた素敵なご夫妻にまずは感謝しなければいけません。
まあでもそんな説明よりも、それぞれの方がより好ましいなと感じられるものに従えば良いと思いますし、是非色々見比べて、感じ比べて頂ければ、と思います。