セントラルパーク構想/100人100色イベント

  • 2012.08.29
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先日、第三回目の企画を行いました。
市側もその後は動きがなく、構想の素案ではそれなりなゾーニングの中に小中一貫校、美術館、文化センターが位置づけられていて、学校は状況として急ぐ(耐震改修もせずに使っていたりもするようで)し地域やOBなど政治的に解決せざるを得ない面が強いので、余り意見をする余地もないと思いますが、美術館は早めにつくりたいけれど、もしかして敷地を変えて検討、なんて可能性もゼロではないのでは?というところから、せっかくだから美術館の様々なあり方を、僕が少しお話する事になってしまいました。
ここには書ききれませんが、古代の略奪品を集めた博物館に始まり、どんな美術作品でも害なく展示できる白く四角い展示室の美術館、そしてその味気なさへの反動として、「そこにしかない」建築と美術の組合せとしてのサイトスペシフィックな美術館。そんな大きな流れがあったことや、デザイン的な話題性や地域に開かれたことでとても賑わっている美術館、都市型や逆にとても広々と外部環境とセットになった美術館、など、可能性はとても沢山あって、学校のようにとりあえず必要な機能と違って、美術なんてのはなくても困らないのにつくるんだから、だからこそもっと慎重に真剣に考えないと他にも様々に魅力的な美術館が点在する中で人なんて来ない、なんてお話をしました。
これは後で言えば良かったなと思ったのですが、安藤さんの地中美術館は至ってサイトスペシフィック型なんですが、その意味も分かっていないのに、地中美術館みたいなのがいい、と言っている方がこの流れを動かしているんだとしたら、それは恐ろしいなあとw
後段にはこの画像でお話されている三宅さん(構想の検討会委員)に「フィールドミュージアム」としてまち全体を大きな屋外美術館として考える、というお話や地域での具体的な取組みのお話をして頂きましたが、三宅さんの言われた「鳥の目、虫の目」というが象徴的に大切なものだと思いました。
意見交換はなかなか活発で、市議さんも来て頂き、構想全体はいきなりは進まず、優先順位で進んで行くだろうという見通し等をお聞きできましたし、それ以上にこういう場に議員さんがフラットな感じで参加頂けたというのがとても価値のある事だと思いました。
その他気になった発言として、公園なのに公園として議論されていないというか、そもそも公園って何か?という認識が日本人にはないのでは?とか、「セントラルパーク」という名前で浜松市はずっとやってきているけれど、本当にあの場所に私たちが求めるのはセントラルパークという言葉が象徴するようなものなのか?などなど。
一応この会の代表ということになっているので参加者から、今後提言のような形で提出しないのか?と聞かれ、もちろんその方が望ましいけれど無理に目指すよりもまずは市民力を高める事に意義があると思っています、とお答えしました。
会のメンバーとも以前議論?したのですが、上の言葉で言えば、「鳥の目」つまり構想の骨格を再考するまでやるのか?「虫の目」つまりもっと具体的でソフト的な事をやれば良いのか?が悩ましいところで、提言をするにはもちろん骨格を再考する必要がありますが様々な要素を把握しなければ難しいし、今さらそこまでやって構想に良い影響を与えられるのか?という疑問も湧きます。
僕は建築をやっているし、構想の根っこから再考する方がいいと個人的に思いますが、難しい話についついなってしまうと参加者にも温度差などもありますのでバランスをとってやってゆくべきだと思ってはいます。
ちょっと悩んでいることをそのまま書いたので、何が言いたいか分からないと思いますが、要するに悩ましい!ということですw
新しい活発なメンバーも入ってきて、再度、会の目指すところから整理しておかないといけないなあと困っていますが、でもメンバーが増えるのはとても良い事です。
そんな感じなのでもう少し意見交換などできる場が欲しいですね、という事で、今回会場でお借りした「鴨江別館」さんの一部をもしかしてお借りできるかも?しれません。
何しろ今後、今ある公共施設やインフラの維持費だけでも、そろそろ建替え時期を向かえるものも増えますので、増々増えますが、一方で税収(人口)は減る。なのに今までと同じノリでつくり続けたら本当に大変な事になるし、そういうデータもあるのですが、誰も大きな声で言わない(言えない?)僕の中のいちばん大きな問題意識はそこで、でもそれは建設業界の事をある程度知らないとなかなか実感できない。でも業界関係者は仕事が減られたら困るから言わない。
建設業なんて斜陽産業なんだから、かつての繊維業界のように減らざるを得ないのに国が様々に守って延命させているけど、それってただ問題を大きくしているに過ぎなかったりしないかな?と思います。
また企画と告知をしますので、こんな話がお好きな方は是非!