あさば旅館

  • 2013.01.10
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最初に行ったのは6年程前かな。その頃漠然と、自分が設計している住宅のが持つ「質」(といっても決して品質という意味ではないです)が目指すべきものについて悩んでいたのもあったのか、その目指す「質」をここで感じ、その後その「質」をある面追求してきているつもりなので、ここは僕にとってひとつの原点だと思っています。
という事もあって久々に泊って来ました。
以前は30室くらいあったのを、ゆったりとした17室へと改修したそうで、能舞台があり山というか崖というかに囲まれてとても落着きながらも散漫としない何か強さをもった場所で、古い建物の風格と改修した部分も野暮ったくならないようにとても配慮されているので、、、と言葉ではなかなか伝わりにくいと思いますが。。

つまり感じたその「質」というのは、しばらくそこで何もしなくても心地よくボーッとしていられる、という単純な事なのですが、実はそれがなかなか出来ていなくて、そんなのは高級リゾートの特権だと諦められているように思うんですが、ちょっときちんと設計してつくれば多少ささやかながらもそれが実現できるし、毎日の生活の中でもそんな質をふと感じられるというのは心身共にとても大切な事だと思っています。
で、それを特に実践したつもりなのが自宅ですw
つまり、あさばに負けないぞ!と設計した部分もあり、、思い通りになったところもあれば、今回改めて訪れてみて、まあこりゃ敵わんな、という部分もありました。
調べて頂ければ分かりますが、来易く泊れる値段ではないので、サービス含め良いに決まっている、といえばそれっきりですが、僕としては変な高級ホテルや、近場の海外で遊んでくるくらいならゆったりとこういう所で過ごす方が価値があると思っています(人それぞれですよね)
住宅も旅館的な良さを持つべきだしというか、基本的に建築は全てつながっているべきでというか、何かの為だけにつくられた建築なんて味気ないし人の感覚というのは幅広いものなのでどの建築もそのような「質」は併せ持つべきだし、それがベースであるべきだとも思っています。
というわけで、すっかり新年明けてから日が経ちましたが、今年もがんばりたいと思います。