長谷守保 建築計画

高宮眞介講演会


近くにある茶室、松韻亭の設計者、谷口吉生さんは講演嫌いだから、という事でずっと一緒に設計して来られた高宮さんが松韻亭で講演をされました。
僕は谷口作品は概ね好きなのと、高宮さんのお話もケヴィン・リンチやノルベルグ・シュルツに触れながら「場所」を論じられていたので個人的にはとても面白く共感しました。
ご自分でも言ってられたけれど、思い切りモダニズムの中で育ったので基本はモダンであるというのは建築の表現を見ればわかるとして、リンチやシュルツの名前が出て来たので、改めてモダンという存在を再考してみたくなりました。
谷口作品のある種のストイックさというのは、ミースのそれと通底していると感じますし、谷口さんの寡黙さ(講演嫌いも含めた)というのも似ているように思うのですが、それは表現レベルの話であり、構成レベルの話でいえば、高宮さんのお話も「建築の風景と場所性について」というタイトルだったように、モダニズムがその後批評されるようになるような、「空から降りて来たような」つまり世界中どこに建とうが変わらないスタイルとしてのモダン、とは基本スタンスは違うと言えるとは思いますが、ただ、そんな風に空から降りて来たようなものをつくろうとした建築家というのが、モダンという範疇でどれだけ実際居たかというと、かなり少数ではなかったかと思います。
高宮さんもご自分で、もう昔の人間だし若い方には興味ないかもしれませんが、的な事を言われていましたが、モダンというものから僕たちは今後の世代も逃れられないと思いますし、乗り越えるとしても全く違うものにはならないのではないかと思いますし、それも、モダニズムというものに改めて十分向かい合わなければできないと思うのだけど、今の時代は、価値観などが余りに多様化しというか、消費され,すぐに流れていってしまっているように見え、「向かい合う」ゆとりも失ってしまっているように感じます。
だからこそ、「風景」や「場所」という根源的なものをベースにおきつつ、ストイックに表現してゆくあり方というのは今後も評価され続けると思いますし、僕も基本的にはそうありたいと思っています。
こじんまりした会でしたが、こういうお話を、お茶室で聞けたというのはなかなか趣があり、良かったと思います。

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On 4月 22, 2013
by hase
in けんちくーみる

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