長谷守保 建築計画

静岡県森林組合連合会 天竜事業所 竣工-2


竣工写真全て届きましたので続けてアップします。書いた通り矢野紀行写真事務所に撮影いただきましたが、やはり普段の僕の素人写真とは違いますね^^;
プロポーザルでは沢山植栽を提案しましたが、既存の土間コンをそのまま生かしたいとの要望でしたので周囲は少し殺風景ですが、手入れも要らず使いやすいかとは。。

内部の床高に合わせ、また事務室、入札棟を繋ぐためにも杉赤でデッキを作りました。

近々解体される予定の旧建物の2階から敢えて撮ってもらいましたが、良くも悪くもゴツい建物で、僕としては対照的な、華奢で軽やかな木造を提案しました。

事務室内部。在来木造(特殊工法や集成材を使わない)でもこれだけのスパンと水平に端まで連続する窓を実現しています。
基本的なアイディアは僕が出してますが、やはり実現には構造家の山田憲明さんの力が大きいです。

トップサイドライトから光が落ち、照明がなくても端々まで明るい建物です。変な技術や効率の良い器具よりずっとエコかと思いますが。

入札棟。正面が南方向なのと登れば丸太の土場が一望にできるので物見台的に作りました。

こちらは水平の構造材が並材で節があり、事務室棟の芯去材とは対照的で、やっぱり材の違いは大きいなあと比較いただけるようにあえてしてます。

入札棟から事務室棟を見る。用途的に別棟を希望されましたが、全面窓でこのように向かい合うことで施設としての視覚的な一体感を残しました。

水平の構造材が室内から軒になり、お互いの棟を繋いでゆく。それが実現したかった1番のことかな。それもあくまでルーバーのような付加材でなく構造材として。
だってルーバーなんてつけなくても良いものを足しているんだからいつか劣化して落ちるでしょうし、それは下から張り上げる天井もそうですが、重力に逆らわない事だと思います。

竣工まで、時間も長くなりましたが本当に色々ありました。大変でしたが改めていろんなことを感じ、勉強させていただきましたし、この建物は半分公共的な存在だと思いますし、今後多くの方の目に触れ、杉桧材を本当はどうやって使うべきなのか?考えていただくきっかけになれば嬉しいですし、僕も考え続けたいと思います。
大都市は仕方ないとしても浜松くらいな都市なら、中心部でもそんな大きな、高い建物は作らなくて良いと思いますし、このくらいの規模なら構造的にも避難設備などが不要にもなり、大きなビルを作るよりずっと単価が安く、美しい木材を沢山使って気持ち良い建築を作ることができますので、政治家や、経済界の皆さんにももっとその事を知って欲しいです。

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On 5月 7, 2022
by hase
in BLOG, けんちくーしごと

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