長谷守保 建築計画

読書する、生きるということ/執行草舟

最近二冊ほど貸して頂き、改めて今後いかに生きるかを考えさせられた。
万人に決してお薦めできる本ではない。でももし、世の中の軽薄さに引きずられる自分を何とかしたい、と思うような方なら向いているかも。そうじゃない方には(以前ここにもあげた岡潔のように)怪しい宗教みたいに感じてしまうかもしれない。
執行さんという方、ざっくり言うと、生まれ育ち、運命的に起きたこと、あと読書量が半端ではない、と言う感じ。僕も今では読書が好き、と言えるけど、子供の頃は、親も読まずただ勉強として嫌々読んでいた程度で、大人になって建築という仕事を通じて人間のことを深く知りたいと自主的に思えたから今がある、という程度で、執行さんは小さいうちから取り憑かれたようにそれも、大人でも難しいような本を読んでいたという。それは半分以上は家庭環境などだろうから、ただズルいよな〜と思ってしまうけど、人生は長いし、50過ぎても何事も遅いことはないと思おう。
書物に限らず、音楽や芸術、つまり文化と言われる「本物」に触れ続けることで、自分という人間を耕すことができると思うけれど、現代という環境は知識=情報の洪水の中で、そんな本物を育むことはもはや不可能に近い。そして「本物」なんて言ってる奴は上記のように怪しい宗教のように遠ざけられる。
でもそれなら何故ほとんどの国や文化で、そんな本物を育んできたのか?それは人間が生きてゆくために本質的に必要な何かを備えているから、ではないのか?であればそれを軽んじる現代人には、必要な何かを欠いていると言えるだろう。
また現代では「個人」が重要とされているけど人類の何百万年、そこまで行かなくても何万年何千年前から西洋でも200年、日本だって100年より以前は、今のように個人が好き勝手自由を求めるようなことは考えられなく、そんなことをしていたら自分も含めみんな死んでしまうような社会が1万年以上は続いていて、そんな中で生まれてきた文化、というのは当然、「みんなのため」に価値のあるものだけが生き残ってきたに違いないのだ。だから今の自分勝手な時代には単に化石のようなものとしか感じられないのだろう。
そしてそんな自分勝手な時代、は崩壊しつつあるからこそ地球環境問題が叫ばれ、でも裏では国や企業の自分勝手が続き、、、今こそ本当の「みんなのため」を考えなければ共倒れになる。それを防ぐには理屈や新技術でなんとかなるのだろうか?いやそこにも自分勝手が潜んでいる。
つまりそういう表層的な世の中から逃れ、深い深いところに潜らなければ、本当に今なすべきことは見えてこないのではないか?そしてその指針となるのが広い意味での「文化」であり、それを身につけるのに一番重要なのが「読書(もちろんまともな)」だと思う。
今の世の中は、日本であれば困ったら生活保護や医療費や出してくれても、本当に大切な「心」の部分は教えてくれない、というかそんな心を持った国民が増えたら困ると思っているように感じる。
けど、せっかく生まれた人生を、良かったなと思って閉じることができるにはやっぱり心だと思う。
本だけじゃなく、身の回りのもの、毎日の食事や出会う人々にも真剣に向かい合い、感謝できるような生き方をしてゆきたいと思うし、そのためにはやっぱりそれを実現してきた先達の生き方を知ることだと思う。そして小さくても自分の人生を持って、次の世代にそんな後ろ姿を示してゆくことだと思う。
もちろん僕が全てにみんな想いな聖人とは決して言わないけど、建築や都市のことについてはプロとしてそのつもりです。
と、怪しい感じになりました笑

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On 11月 6, 2023
by hase
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