設計も大詰め

  • 2010.05.14
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住宅にガレー時の屋根をつけた設計はそれなりの数をやってきましたが、全て木でやると少しボテッとしたり、全部鉄でやると少し細いけど強く見えすぎたりと、なかなかバランスが難しいのですが、ガレージは当然正面道路側にあり、よく見える位置にあるので、デザイン上もとても大切なところです。
今回は鉄で柱と梁を、その上に木の垂木を見せることで、重たく見えないけど、木の雰囲気が程よくでるような設計をしてみました。
まあ白模型では分かりにくいとは思いますが、実物はまた追々ということで。
住宅設計をしながら、車の存在の強さというのをいつも感じます。
もし車がなければ、設計にもっと可能性も出るし、建築的にも良く出来る。それは、モノについてもそうで、モノのために、車のために住宅をつくっているような感じになってしまうと、人間のためにつくっているはずの住宅なのに、本末転倒だなあと思ったりもします。
まあそんな事言っても始まらないので、車もモノも、もちろんきちんと納まるらなければいけないし、より美しくというか、嫌な感じを少しでも受けないように納めたいと思っています。
ただ、さりげなく在れば、そればベストだと。
世の中さりげなくなく、自己主張をするモノ(人もですね)が多過ぎるけどそんなのはすぐに飽きられ、消費され、悲しい結果にしかならないと思います。
僕の建築のつくりかたは、ただそんなさりげなさを目指している、ただそれだけだと言ってもいいくらいだと思っています。
人間としてもそんな風に生きられればいいな、なんて最近は思います。
もう少し若い頃は、もう少し変な自意識があったように思い、その分思い悩んでいたけれど、今は少し自分なりの悟りが見えたというか(まだまだですけどね)。
でもそんな、さりげなく、力んでいないような建築をつくるのは、どこか力んでエネルギーを十分注がないとできないのです。実は。
だから、僕の思うように図面や現場が進んでいなくてピリピリしてしまう事も多く、大変です。
が、どんなに大変でも、ちゃんとやらなければ僕が僕でなくなるので、ちゃんとやりますよー。