長谷守保 建築計画

蓑豊さん講演会/浜松市美術館


昨日でしたが、とても良いお話が聞けました。
あの21世紀美術館初代館長で今は兵庫県立美術館館長をやられているのですが、若い頃から主にアメリカの美術館で働いて来られた事もあってか、とても日本的な型にはまらず、美術館を単なる博覧会なものとして捉えずに、教育の大切な部分としてとらえて、そのためには子どもをいかに引込むか(Educationの語源は、引き出す、という意味なように)という事に果敢に取り組んで来られた結果なようです。また親に美術館に子どもの頃連れて来られた親は子供にもそうするし、逆もそうだというのがほぼ100%近いという話や、海外は美術館に普通に家族で来る(日本はそんな事ないですね)というのも興味深い話でした。
また海外では常設展がしっかりしていて、ぶらっと入られる事が多いけれど日本は企画展頼りだという所にも美術に対する大きな違いがあるように思います。
そんな訳でSANAAや安藤さんとも(設計者だから)接して来られただろうしという事で最後に質問をさせて頂いた時にお聞きした良いお話ですが、スタンフォード大のハースの言う6つのポイント(1 Simple. 2Unexpected. 3 Concrete .4.Crdible 5.Emotional .6 Story) その6つを心がけていれば建築設計でも何でも上手くゆくと。
まあお話をお聞きしていて思ったのは、信念を持って、自らリスクを負ってやりさえすればどんな大きな事でも成し遂げられる、というありふれたような話ですが、やはり実体験をして来られた方の生の話を聞いて、それが実際に面白いと引込まれますよね。
さて、浜松市美術館についてですが、例の、セントラルパーク構想のドサクサに紛れて進める事には大反対だっただけで、単体として、より良いものが出来るためにプロセスを踏んで出来るのであれば出来る限りの応援はしたいとは思っていますし、どうやら、建設に向けて、ワークショップ?など市民の声を聞く場もつくりつつ進めるようですから、とりあえず顔は出そうかと思いますし、ただ、上記のような、信念と、リスクをきちんと追う、という覚悟だけは、作る側に求めてゆくつもりです。
最後に、でも少し気になったのは、蓑さんは、21世紀美術館が現代美術だし、今の兵庫県立でも、従来の美術を飛び越えた新しい枠で人を随分集めていらっしゃるようですが、その現代的な表現と、それ以前の美術というものが、どうもより乖離してしまって,新しいものに対する興味が増せば増す程、いわゆる芸術というものに対する感性が失われてしまっている面もあるのじゃないのか、言い換えれば、目新しいものに対する感性は増しても、深く奥底を見つめる目というものがより失われてしまってきているのではないか?と思ったりもしますし、本当はそれもお聞きしたかった。。

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On 4月 29, 2013
by hase
in 浜松のこと

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