長谷守保 建築計画

第4回ふじのくに木使い建築施設表彰 最優秀賞


県のFBページより画像拝借しましたが、設計させて頂いた森林組合連合会天竜事業所が最優秀賞に選ばれました。
ここでも何度か書きましたが、プロポーザル、という形で設計者を競わせる、と施主側が決められた事が、私が選ばれなかったにせよ、良い結果を導いたのだと思いますので、そこに改めて敬意と感謝の意を示したいと思います。
住宅含め、建築の業界は、公共の入札というシステムを筆頭として、値段とコネ的なもので設計者が選ばれることがほとんどで、結果として設計者同士が研鑽し合うこともなく、(性能的な質は別として)安易なものばかり作られてしまっています。
だからと言って変わった事をやって目立つ事が評価されているような建築家の世界とは距離をとりながら、「当たり前だけど質の高いもの」をなんとか作りたいと考え続けてきた結果でもあるので、評価されて嬉しく思っています。
ふじのくに木使い建築施設表彰
私として強くこだわっているのは、接着剤を使って固めた集成材などは長期的に本当に大丈夫かが不安なのと、その加工費が大きくなる分、丸太の価格が押さえつけられること、また見た目が継ぎ接ぎで木材の美しさは失われてしまう事がとても残念なので、やはり製材(貼り合わせないムク)でありながらも、集成材や特殊工法、または鉄骨造じゃないとできないと思われている、開放的な構造を実現し、杉桧という繊細な美しさを持つ木材が引き立つような、軽やかな空間を作りたいと思いました。
<評価のポイント> にも書いてもらってますが「普及効果」という点では、木造の在来工法で住宅用サッシを使ったりと、木造住宅を作る技術や部材で実現することで、このような良い木材をふんだんに使った建物でも鉄骨や集成材の建物より工事費を抑える事ができ、また、いかにも木造、というような太くて重いデザインだと和食屋さんのようになってしまうけれど、このような軽やかな繊細さを持つ事で「木造臭さ」をあえて抑えることで、事務所や医療福祉系の建物でも使いやすいのではないかと思っています。(ぜひ気軽にご相談ください)
そして天井全体に並ぶ水平の材は、決して後付けのルーバーではなく、トラスの下弦材で構造材なのですが、後付けのルーバーは誤魔化しでしかないし、地震で落ちてしまうかもしれない。ただ構造の強さが出過ぎると木造臭くなったり、重たくなるので、この下弦材も寸法やディテールをよく考えて、そして敢えて水平にして、見え方を内装材に近づけて、構造と内装が融合したような、そんな木造をつくろうとしたのかな、と後で思ったりしました。
この建物についてはまた何度か書く?と思いまし、とりあえずこの辺りで。
以前あげた竣工写真 <その1> <その2> もご覧ください。

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On 9月 14, 2022
by hase
in BLOG, けんちくーしごと

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