長谷守保建築計画

竣工ー3


まずは玄関から階段を見たところです。
木だけで、野暮ったく、民家っぽくならないようにしたかったというか。。
階段というのは奥が深いのですが、登りやすいという機能はもちろんのこと、「登る」という行為にともなって地上と違う空中の床に昇るという高揚感を演出することができる場所です。
造形的に美しくしたいと思う一方で、できるだけ無駄な要素やパーツを減らして、「登るー昇る」という行為を際立たせたいと思います。
次にリビングですが、東の眺めから、角の三角デッキへの広がりは、できるだけ東への眺めをすっきりと取り込みたいとの意図ですが、南は、東の窓が大きい分、壁を増やしていますが、「隠し框」という、可動の木製窓枠部を枠の向こうに隠しているので、見た目はガラスがはまっているようで、実は全開にできたり、木製窓でありながら気密性も保ちやすくなっています。
また、2階であるので、勾配屋根や軒先の勾配合わせて天井も勾配とすることで、軒先高さを抑えつつも、内部空間には広がりを残す事ができました。
床や天板などに力強いムク材を使った反面、壁は漆喰で天井も合わせた白で塗っていて、床などの素材性を際立たせつつ、空間としては、余り素材の圧迫感を出さないように、空間の形や開口部からの外部などの存在を素直に感じられるように、とつくりました。
最後に浴室も、床には十和田石、壁と天井には青森ヒバをつかいましたが、青森ヒバは工事中からも、とても良い香りがして、石もとても優しい感じで、タイルを張る浴室は良くつくるのですが、自然素材でしか出せない雰囲気がやっぱりあると実感でした。
まあなんにしても、東側の眺め、という手がかりがプランの作り方や素材の選び方、ディテールまで、いろいろと影響しているわけで、どこに手がかりを見つけるかというのは、それぞれの設計により、敷地により、建築主さんのイメージにより、変わってくるのですが、その手がかりが強いほど、設計はうまくゆくことが多いですね。
かといって、最初からはっきり決まってしまっているわけではなく、いくつかの案をつくり、話をしているうちに、見えてくるもので、なかなか見えないときは、プランをつくりながら、苦しい〜〜と思うことも良くあります。
人生と同じで、全てを大切になんてできませんが、何か一つ大切に、とても大切にできるものが見つかれば、それで自分の人生は達成できたようなものだと思います。

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On 2月 17, 2008
by hase
in けんちくーしごと

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