長谷守保 建築計画

空間の質/ルイスバラガン


少し風邪をひいてしまい、間があいてしまいました。。
少しゆっくり過ごす中で、最近「空間の質」みたいなものをどうやったら生み出す事ができるんだろうと考えていました。
でもそれはなかなか実は難しくて、逆にそんな質を害するものは?と考えたら、空間を「圧迫」するようなものは、いろいろあります。建物を構成するパーツも、よほどバランス良く、プロポーションや素材など考えないと、例えば大きすぎる窓や、力強すぎる構造材、そして、生活に必要とは言え、様々な製品たちは、空間を圧迫し、空間の「静けさ」を奪ってしまいます。
特に住宅というものには、その「静けさ」が大切で、自分と静かに向き合える時間が必要なんだと思いますが、そんな意味でとてもすばらしい建築を遺したのが、メキシコのルイスバラガンです。
写真で見ても、そんな空間の質をもっていることが感じてもらえると思います。
でも、上に書いたように、どうすればそれが実現できるか、なんて簡単なものではなく、そして、もちろんまた、こうでなければその質が実現できないという訳でもありませんし、もちろん、建築というのは、その経つ場所により、時代により、使う人により前提条件を変えてつくらなければならないわけで、この空間をそのままそっくりつくるということには意味はありません。
でも、上に書いた意味での、空間が圧迫されていない感じは分かってもらえるでしょうか?
圧迫されない方がいいなら、ガラスの箱にしたらどうか?というとそうでもなく、ガラスという素材自体も実はとても強い素材で、使い方を間違えるととても落ち着きのない空間になってしまいますし、外部の環境に圧迫されて落ち着かない事になってしまいますので、開口部は程よく制限された大きさであるべきです。
そして、静かな空間であるためには、程よく「暗さ」があること。そして光も優しく反射し包み込むような素材であること。そんなことが条件でしょうか。
また、そのためには出来るだけ自然光を生かせる空間である必要があります。
生涯独身を貫き、「孤独」というものの中に人間の、そして空間の本質を求め続け、辿り着いた空間。そこにはやはり、言葉では語れない深さと魅力があります。

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On 3月 15, 2008
by hase
in けんちくーかんがえる

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