長谷守保 建築計画

白井晟一の図面


今、訳あって自分の設計スタンス?など見直しているのですが、以前頂いた「世界建築設計図集」(50巻もあるの頂いたのです)の白井晟一の親和銀行大波止支店(数年前見に行ったけどとても抑制された、つまり地味というか、でもとても端正でした)の図面を見ていたら、もちろん有名な建築家の図面は全てそうでしょうけれど、いやいや白井さんの図面のなんと美しいことか。
少し前の世代の事なので知りませんでしたが、白井晟一は新建築などに作品を発表するときはかなり図面の比率が高く、図面、というもの自体に重きをおいていたようですし、この図面だけで十分芸術品と言えるレベルですね。
有名ですが白井晟一は書道も相当な腕なのですが、書も、単なる文字と言えばそれっきりですがもちろんそうでなくそれ自身が表現として、道として深められるものであるように、図面もそう捉えていたのか?あともちろん、それを作る施工者たちへ伝える言葉の代わりなのですから美しい言葉で語りかけた方が作る方もより良いものをつくる気持になるでしょうから、やっぱり表現としての設計図というのはとても大切なんだと思います。積算する方、監督、大工、などその図面をついつい見たくなるのか、見たくない図面なのか、という違いはやはり大きいでしょう。

僕もそれなりに図面はきちんと描かなければと思ってやってきたつもりですが、やはり特にCADになってコピペが日常となってくると、どうもそういう気持が薄れてきているなあと、この白井さんの図面を見て反省をしました。
もちろん単に丁寧に細かく描いている、というレベルでなく、造形の細部にまで生命が宿っているとうか、それもモダニズムでも言った「神宿る」という緊張感を質的に飛び越えるような意味で「神」というよりは「生命」の生々しさがあるというか、、多分ご本人もそれは言葉にはできなかったし余りしなかったし、身体感覚なのかもしれません。というか、説明ができるような事に重要な事はない、という意味で、モダニズムの大部分(もちろん全てではない)は重要でなかったと言えるのかもしれません。

はあーー。。まだまだだなあ自分は。と改めて思います。

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On 4月 21, 2014
by hase
in けんちくーかんがえる

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