浜松市新美術館構想

  • 2012.02.03
  • BLOG


先日、セントラルパーク構想検討会があったようです。
そのうち最も大きな要素として新美術館があり、図中にある通り安藤案(地中)と地上案が並記されているようです。
H22.3「浜松市新美術館基本構想」から抜粋します。
「美術館を取り巻く状況は刻々と変化しているにも関わらず、開館から39 年目を迎えた現浜松市美術館は、一度も大規模な改修工事をしておらず、展示室や駐車場の狭小、空調設備の能力不足、市民ギャラリーや教育普及関連施設の未整備など来館者のニーズに十分応えられない状況にあります。このような美術館の現状は、創造都市・浜松を目指している本市にとっては課題となっています。」
基本理念として「新しい美術館は、創造的な活動との出合いを通して、人々に交流の場を提供し、市民が心豊かで文化的な生活を享受できる『明日への希望を見出す美術館』を目指します。」
運営として「魅力ある事業展開をしていくためには、優れた人材の配置が最も重要である。併せて、集客力を高める柔軟な運営が必要である。」
ところで新建築2004.9で安藤さんは地中美術館について記しています。
「自身の建築の傾向として、常に自閉的、洞窟的な空間イメージがあった。降り進むにつれて徐々に光が絞られ,冷たく静寂につつまれていくー地中にこそ,空間の原型に近づく手がかりを感じていた。。。地中美術館の建築は、自身の建築思想の根幹を問い直す絶好の機会であった。」
まず、まだ築40年(僕が生まれた1月後に出来たそう!)で、大規模改修は一切していないのに、既に現状不適合で建替えるしか無いというのはちょっと早計過ぎないです??
住宅や民間建築物はまだしも、美術館の寿命がその程度で平気で絶たれてしまうというのは建築物は文化ではなく、消耗品という扱いに感じますが、では今回の建替えられるものはどのくらいの寿命を想定するのでしょう??建てる時には想定されないから安易に壊されるのではないかと。
次に、基本理念と、地中美術館のコンセプトが馴染まないだろう事は感じられると思うのですが、この基本構想があったのに、何故地中美術館を提案させるような事になったのか?少し建築が分かる人間が意見していればこんな齟齬は生まれないはずだし、これだってかなりの税金の無題ですよね。
最後に「優れた人材の配置」例えればレストランをつくるのにシェフを決め店舗づくりから始めるという良く聞くケースのようなものですが、やっぱり最初に店舗など決めてつくってしまってからシェフを決めるよりよっぽど良い事くらいは分かると思いますし、であれば、21世紀美術館もそうだったからこそ大成功しているように、館長や学芸員を事前に決めて一緒に考えてゆく位の事をやるつもりがあるのかどうかは、ちょっと読み取れませんでした。
一般には余り知られていないかも知れませんが、近年世界的に美術館がつくられ、コンペで海外建築家が選ばれている(安藤さんも)のですが、それはやっぱり言葉は悪いですが、人寄せパンダとしての建築作品への話題性を求めているからでもあり、それが一概に悪い事ではないにせよ、浜松市もそれをやりたいのであれば基本理念との整合性も図って欲しいですよね。
と、それ以前に、今後財政はさらに厳しいのに大規模改修の検討はしていないのでしょうか?
ところでfacebookでこんなイベントを企画しています。
このブログとは違い気軽に楽しくやるつもりですので、よろしければご連絡ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「セントラルパーク構想が動き始めているようですが、私たち市民としてその構想も、そして浜松城公園も良く知っていないのではないでしょうか?
まずは歩いてみて、何かを感じ,考えてみることから始めましょう。
14時にホテルコンコルド南の浜松城公園駐車場入口に集合
2時間程歩いた後別会場にて意見交換(ワークショップ形式などで)
その後希望者にて懇親会
会費は無料ですが懇親会は実費
今回は特に関心の強い方を中心に20名以内程度で実施し、4月中旬頃に多くの方を集めた2回目以降を実施して何か良い方向につなげてゆけたらと考えています。