長谷守保 建築計画

浜松の休業要請解除と資本

新型コロナと資本主義についてしばらく考えながらこんなのを読んでいましたところ、浜松市の休業要請解除が決まりましたね。
でもおそらく、特に飲食など自主的に自粛を続けざるを得ないだろうことについては、行政も議員さんももっと何か動くべきだとはおもいます。
また、この全国自粛ムードの中解除に踏み切ったのは、感染者が増えていないことと、S会長はじめとする大企業などのバックアップでしょうし、またその下で進めなくて良い市町村合併の動きも進んでしまうんでしょう。そして、感染者が少ない地域を見てみると、車に依存した都市なのは明らかで、裏を返すと公共交通機関に依存している都市は減らない。だから本気でコロナを止めたければ公共交通機関を止めるしかないのでは?とも思います。

そして本書は薄い本ですが、大著の資本論はとても読めないなあと思っていたのでまず読んで見たところ、資本と労働者の関係についてを見事に言い当てていて、100年以上経ってもその本質は何も変わっていないことが分かります。比較的わかりやすい本ですが適切にまとめるのはできませんので、ざっくり僕なりにまとめますと。。
・資本家は労働者を、生かさず殺さず、の扱いで、つまりギリギリ生きてくれれば良いレベルでしか扱えない(資本家同士の競争に負けないためには当然)
・その社会は常に成長を続けることによってのみ、労働者はなんとか生きながらえることができる(マッチポンプですね)
・つまり、資本家と労働者の格差はますます開いてゆくしかない宿命のシステムである。
そんな宿命にあるシステムだということをマルクスは喝破したわけですが、西側の自由主義陣営はマルクスの言うことも理解して、必要なところはうまく取り込むことによって、共産主義に打ち勝ちました。でもだからと言って資本主義が正しいわけでもないし、共産主義が一面的に間違っていたわけでもないと、僕は思いますし、このコロナ危機に際して改めてそう思いました。
資本主義の結果、何から何まで、安ければ世界の果てから調達し、売れれば世界の果てまで売りに行った結果ですよね?そしておそらく、アメリカの感染が止まらないのは「格差」の大きさ、つまり社会の分断が大きいほど、本来は一丸となって乗り越えなければいけない危機に弱い。日本が比較的感染が少ない理由は格差がまだ小さいからでしょうね。でも日本でもやっぱり、一月仕事がなければ生きてゆけない人は沢山いるし、大会社はとんでもないお金を溜め込んでいるから潰れたりは決してしない。マルクスが生きていたら、これが資本主義の結果なのだ、と言うことでしょう? だからこそ、資本家こそ今回の責任を取って、苦しむ労働者たちを身銭を切って守るべき、とも言えます。
トランプ、習近平、アベが、経済経済いうことで世界の格差はさらに大きくなり、その戒めのように僕は思います。
そして浜松市の要請解除も、経済へのダメージ(経済が元凶?なのにね)を考慮して、ですが、ここで気を緩めて感染が増えるようなことがあったら本当にどうしようもない。だからこそもう少しきめ細やかな、「これはやっていいけど、これはダメ」というメッセージを市長が合わせて出さないとマズいと思う。感染が広がっていないなら市内は安全なエリアということであれば、やっぱり危険なエリアからの人間を入れないことに尽きるのではないか?要請解除した結果、そんな流入が増えないと言えるのだろうか?そこをこそ厳しくやり、身近な集まり、地域に根付いた顔の見える客しか来ない飲食店、あと言えば、学校だって同じく安全ではないのだろうか?良く分からない。

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On 5月 2, 2020
by hase
in ひとって?, みるーよむーかんがえる, 未分類, 浜松のこと

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