長谷守保 建築計画

松菱跡地への提案

誰に頼まれた訳でもないですが、こんな時代になっても建てられ続ける巨大なビルへの専門家としての疑問、そしてそんなものでは浜松の中心市街地の寂しさは決して解決しないだろうとの思いから、普通に言えば「ありえねーだろ」と思われそうな案を、「これしかないですよ」という気持ちで作ってみました。

恐竜は体が大きすぎて絶滅したように、巨大なビルは、東京などの活力に溢れた地域以外では間も無く使われなくなり、巨大なゴミとなるのではないかと思うのですが、寂しくなったとは言え、浜松の中心地でまだまだ人通りもある訳ですから、低層だけでも賑わいが出て欲しいですし、中高層部の貸し床に対する大きな需要があるとも思われず、もし作ったとしてもそのほかのどこかのビルが空いてしまうだけではないでしょうか。

でもあんな一等地にこんな小さな計画?と思われるに違いないのですが、大きなビルが採算上成り立たなくて出来ないよりずっと良いと思いますし、浜松市は天竜杉をもっとPRして使ってもらわないといけないはずですし、杉たちは毎年すくすく育ち続け、実は成長している分の半分くらいしか使われていないらしいので、このままだと林業も廃れ、山も荒れ、様々に環境に悪影響が出てしまいます。ですから浜松市さんも市長さんも、税制優遇など?強力にバックアップしてくれるはずだと思っていますw

それに表に記載の通り、有効な貸し床面積あたりの工事費はずっと安くできるので、百貨店さんよりずっと安い賃料設定をしても採算は取れるはず、だと思っていますが、そのあたりの数字についてはそう単純な話ではないと思うので、各種専門家の方、お気付きのことがあれば教えてください。

実現を前提としてはいなくても、建築基準法などきちんと確認して、私なりに現実的な案としてまとめたつもりですので、ご覧いただいて、ご意見いただくなり、みなさんの中であの場所が、浜松が、どんなところになれば良いな、と考えるきっかけとなってくれれば良いと思っていますので、よろしくお願いします。

(追記)

一般の方にも分かるようにと控えていましたが、少し専門的な説明の補足です。

まず住宅用の建材というのは流通量が多いのと規格化もされていてビル用の建材の何分の一程度の金額であったりします。例えばアルミサッシとか。また地場の小さな工務店でも施工ができることもあって住宅というのは細かな設備は沢山ついたりしてても大型のビルに比べると工事単価はずっと安くなり、また記載の通り住宅に用いられるような木材やプレカットで実現することができます。

<高度利用地区>というのは木造だとかからないという決まりだそうですが、木造というのは鉄骨やコンクリート造に比べ比較的容易に撤去することが可能だと考えられているためですし、法定耐用年数というのも22年と短く設定されているために、事業用の建物の収支には木造はメリットが出ると言われていますし、もしまた中心市街地の状況が好転して大きなビルが欲しくなれば容易に立て直しやすい、と考えることもできます。また鈴木市長は、空き地になったままよりは、イベント会場でも屋台村でも、テンポラリー(一時的なもの)なものでも良いから、という事を言われていたそうですが、木造は上記の理由で少しテンポラリーなものでもある、とも言えます。

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On 10月 9, 2019
by hase
in けんちくーしごと, イベント, 浜松のこと

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