長谷守保 建築計画

東北へ。1

この連休に、余り行っていなかった東北の奥へ、少し前に読んだ「日本の深層」に触発されたのもあって行って来ました。
まずは郡山まで新幹線で行ったので、郡山市美術館(柳澤孝彦設計-1994)へ。

大学を卒業した頃雑誌で発表された時は、すごく良く出来ているなあと感心して参照したりもしたのですが、行ってみて、お金を随分ムダ遣いしたなあと、立派なんだけどムダな立派さだなあと感じました。バブル期に計画されたからというのが大きな理由なんでしょうけれど、またもう少しアクセスが良かったりで来場があれば良いのでしょうけれど、連休なのに閑散として年配の方しか来ていなくて、という感じでした。
次は会津若松のさざえ堂へ。
二重らせんの斜路で一方通行で登って降りるという不思議な構成で、以前は観音さまを安置していたそうですが、まあ不思議なものをつくったというか、こんな建築は世界にも類を見ないようです。
その晩は米沢の西屋という母屋は築200年本館は築80年という旅館にに泊りましたがいわゆる秘湯ってので、行くのも大変でしたが良い温泉で料理も美味しく、なかなかおすすめです。
翌日は、まず、震災後やっと被災地へという事でこれは女川です。

コンクリート造のビルが津波で3つ程倒れたままになっているのですが、雑誌等では見ていましたが改めて衝撃的でした。そして改めて思うのは、被災された方々は本当にお気の毒ですが、数百年という周期でこのような津波が来ていたわけですし、やはりそれを知りながらこの場所に住んでいたという事はある種の自己責任もあるだろうということと、またこの地面から5M近くも土を盛って道路が計画されていましたが、費用対効果も考えた上で、本当にそれでよいのか?というのが被災者たちへの遠慮があって本質的に議論がなされていないだろうことへの危惧を感じました。
その後、東北を横断して酒田市の土門拳記念館へ(無茶ですから真似しないで下さい^^;)

しばらく前に高宮さんのお話を聞いたこともあり、いつか行ってみたかったのですが、谷口建築は元々派手さはありませんがその中でも特に抑制された、なんとも大人な建築だったのですが、谷口さんの中でも一番好きかもしれません。あと土門拳の写真も「古寺巡礼」シリーズが圧巻で、重たい写真集を買って来てしまいましたが、無理して行って良かった。建築も決して大きくなく、最初の郡山みたいな間が抜けた感じがなく、良い感じで賑わっていて、それも総合して目指すべき名建築だと思います。
いくつか見たい古建築をスキップせざるを得ないなかで、何とか行けた羽黒山山神合祭殿。

着が遅かったのとなかなかの山奥にあるため、この辺りには来場者は他にはいなかったので、そしてこの高さ28mの茅葺の祭殿や周囲にも神社等が散在し、とても神秘的というのか少し恐いくらいという初めての経験をしました。ただ、伊勢も出雲も今では観光地的なのに対し、本来神社ってこうあるべきなんだろうと思います。
と、遅くに宿にたどり着き休みました。

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On 5月 8, 2013
by hase
in けんちくーみる

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