東京へ−1

  • 2007.11.04
  • BLOG

行ってきました。

まずは江戸東京たてもの園。で写真は建築家前川國男自邸。前川さんがコルビュジェ、レーモンド事務所を経て、独立5年後くらい、1942年に建てられました。
コルビュジェの力強い空間構成と、レーモンドの素朴な民家的表現の間で様々に悩み生み出されたことが感じられるような、そして実直な前川さんらしい空間で、その深い悩みが、その後の大きな飛躍につながったのだと思います。
ちょうど、ボランティアの「前川自邸研究倶楽部」というボランティアの方々が「前川自邸の11のヒミツと5つのなぞ」という企画で建物内を案内していましてとても丁寧に説明をしてくださいました。

吉村順三記念ギャラリーです。
画像はラウンジのような室で、とても親密な(と一言で言うのは易いですがとても難しい!)空間でした。
軽井沢の家、脇田邸の展示をしていて、その時のスタッフの方がとても丁寧に当時の事、吉村さんとの設計への取り組みなど、お話してくださいました。
担当された当時、今の私と同じ、36歳?くらい。今は70歳くらいでしたが、とても明晰に当時の事を語られていました。いかにして空間や形態、ディテールが生み出されたかということ。毎回新たな挑戦をし、竣工までにいかに苦労し、うまく行ったときにほっとしたかということ。などなど、私の質問などに大変丁寧にお答え頂きました。
また、ほとんど模型はつくらず、言葉とスケッチで空間を生み出して来られた、というお話に、改めて、我々に求められる、3次元的な想像力の高さを認識しました。
F.Lライトも、ほとんど模型はつくらなかったけれど、ほぼ完璧に3次元的な把握をしていたと聞きます。
上記の2つで、それぞれ、ボランティアや元所員の方が、仕事ではないのに、とても熱く語ってられたことが大変印象的でしたが、それは、建築というのは、それだけ想いを込められる対象であるという事だと思います。
その建築家だけでなく、それを支える所員や、現場や、そしてもちろんその建築を使う方、や広くは社会全体が、もっと建築に想いを込められるようにならない限り、表面的な「景観」なんて言葉は流れ去るのみで、文化としては根付かないものだと思います。
そして、良い建築や、それを思う方々に接することで、より、建築への想いが強くもてるような機会になったと思いました。