木造の継手と仕口

  • 2009.08.26
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またちょっと渋い本を買ってしまいました。
前にも書いたか、基本的には僕は「伝統工法」に特化するつもりやそれを「売り」にするつもりはなく、今自分が建築に携わるということは、決して後ろにボールを投げることではなくて、未来のまだ見ぬ人たちに向かってボールを投げる事だと思って今まで自分なりに建築に向き合ってきました。
でも、出来るだけ遠い未来に投げたい、と思った時に、今の流行のようなやり方に飲み込まれてしまうのは、全くと言って良い程未来に対して何も投げかけられない事だと思いますし、そう考えた時にやはり過去から生き続けているものの価値を、(もちろんそのまま受け止めるのは危険で)自分なりの論理、価値観で読み込んで、また、新しい事をするのが必ずしも良い事ではないですけれど、何か今まで気づかなかったような事を少しでも形にできればいいかなって思っています。
でも、それもこれも、まずは歴史や広い世界を知り、自分なりにそれを価値付けする努力をした上の事でなくてはならないので、伝統的な技術にも謙虚な態度で接しなければな〜、という感じです。
何か問題が起こってからそれを反省するかのごとく改められたものは、全体を見失っている事が多いように、大地震の度に改正されてきた建築基準法の構造規定というのも、どこか全体を見失っていて、それが、木の良さを生かしてきた日本の木造建築を、単なる安くて程々に安心な工法の一つとしての木造におとしめて来た、というのは決して誰も否定できない事実でしょう。
耐震性、耐久性、技術の継承などなどの理由で伝統工法を再評価する流れは出て来ていますが、僕はやっぱり、美的観点でこそ、注目したいと思っています。
続きはまたいずれ。。