長谷守保 建築計画

木構造を見せる!


今工事中の住宅の、屋根裏の木構造の見せ方や組み方などについて、なかなか難しい施工となるため、施工会社さんが見本をつくってくれたので工場に確認に行きました。
12角形の半分の形が屋根となり写真のように垂木が集まってきますが、それを隠さずに化粧材として見せることにしたので構造的にも難しいのですが、デザイン的にもとても重要となり、模型などもつくって検討していましたが、やはり、原寸でそれも木でつくってあり、この方向で良かったかな、と改めて思いました。
今時の住宅はほとんどがプレカットといって、材木が工場で加工され、プラモデルのごとく、現場で組み上がってゆくのですが、この住宅は特殊な部分が多く、とてもプレカットではできないため、全ての材料を大工さんが自ら加工して建てて頂くことになりました。
自分で設計事務所を始めてから、やっぱり設計者として出来る限りの事を尽くしたいと思う一方で、施工して頂く職人の皆さんの手の跡がきちんと見え、やりがいのある仕事をしてもらえるような設計をしたいと思ってきました。またそれが今後の職人さんの腕を残してもらうための、小さいながらも助けになると思ってきました。
そんな意味では、この住宅は、今までで最も職人さんたちの手の跡が残る住宅になりそうです。
もちろんその分手間と時間がかかります。やる側は私たちも含め大変です。
でもこんな苦労と思いというのが、建築に乗り移り、永い間使われ、愛される建築になっていってくれるんだと信じていますし、そんな建築が一つでも増えてゆくことが、まちなみを良くし、建築という文化を育て育んでゆく唯一の手段なんだと思っています。
これからも、ひとつづつ、自分たちの思いを込められる建築を残してゆきたいと思います。
でも、今の社会は本当に大切なものを見失わせ、売りやすいものが大切だと思わせる社会です。
そんな中だからこそ、その本当に大切なものを見失わず、伝えてゆくのが僕たちの役目だと信じて、伝えてゆかないといけないなあ、と思ってます。
まあでも、大変な分、建築が出来てくるのは本当に楽しく嬉しいものです。

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On 4月 2, 2008
by hase
in けんちくーしごと

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