長谷守保 建築計画

新建築9月

石上純也さんのオランダ Vijversvurgにつくったビジターセンター。これは久々、というか近年では比するものが思いつかないくらいヤバいです。右上のSANNAのも霞んでしまうくらい。。

何しろ?ガラスが主構造で鉄骨造の屋根を浮かせている(だけ)だが、おそらくコストもさることながら技術的に一般的ではないと思うのだけど、でも、この地域の公園などが歴史的重要文化財として、ほとんど改変を許されないのと、やはり日本と違ってデザインへの国民的意識が高いから、ここにはこれを成立させるべきだ!となったからこんなすごいものができたのでは?と勝手に想像しました。

環境が素晴らしいこともあるけど、内部からの写真はそれをこの建物が水平にうねりながら切り取ることで、絵巻物のような景色となっていて、これは価値がある建築だと思う。

一方で日本でもというか世界でこのようにして活躍する建築家を多数出している日本は、オランダなどが、このように厳しい制約と厳しい目の中でデザインという行為をせざるを得ない一方、「なんでもあり」の世界だから建築家たちはいろんな実験を繰り返すことが許される中で、一流に育っていった、ということはできるだろうけど、結果、日本人の国民のデザインへの意識の全体レベルが上がっているか?というと表面的な流行りに過ぎないような気がする。やっぱり、こういうものを生み出せる底力、というのは日本にはない。国家的プロジェクトの新国立の経緯と結果を見ればそれも明らかかなと。。

SANAAさんの「グレイスファームズ」も既存の敷地を生かし、長い曲面による平面で敷地を呼吸する生き物のよう?という意味では似たような構成とも言えるけど、こちらは鉄骨柱が床にポンポンと建っているのに対し、石上さんのは柱はなく、腰壁のコンクリートが力強く屋根との隙間を連続させている、ということによって、身体が出ていって一体となれる環境、ではなく、絵画のように眺める環境、という違いが出ているのかな。

オランダか〜いつか行く日があればこれは見てみたいと思います。

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On 9月 5, 2017
by hase
in BLOG, けんちくーよむ

長谷守保建築計画

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