長谷守保 建築計画

新建築8月



集合住宅特集で、表紙のは篠原聡子(隈研吾さんの奥さん)設計のシェアハウスですが、どうやらその住人の中心人物が隈太一さん、どうやら息子さんらしい?ちょっと笑っちゃいました。
こういう取り上げられ方はメディア的でもあり、でもとても違和感を感じませんか?まあそれをさておいても、プログラムとして面白いかもしれないけど建築としての価値は??ですね。
近年の集合住宅を見ていても思うし、本号で「木密から」を書かれている北山恒さんが書いていること、そして作品たちが特に象徴的な気がするのですが、どうにも「即物的」だなあと感じます。
即物的は、主観を排したという意味でしょうけど、つまりそこに本人の美意識が感じられないというか、「本当にあなたがそれをつくりたかったの??本当に??」と聞かれた時にYesと返事が返ってこないんじゃないかというような意味です。(もちろんその設計意図は様々に答えてくれるでしょうけど)
その「木密から」では「超混在多孔質都市」とか「変化を誘導する小さなインフラ」そして「多様な多数の主体」を語ってはいてもその北山さんの思考回路にどうやら「主体であること」が見て取れないように思うし、それと同じことは、建築の世界でも今後仕事が減るからか「まちづくり」を志向する面が強まってはいても、そこにも同様に「主体であること」の意志が欠落しているように、(印象で判断してしまっている面も強いけど)思う。
で、このシェアハウスに戻っても、形式としての多様性を秘めたものを設計したのだとは思うけれど、設計者本人の主観というか、美意識のようなものが見当たらないのでどうやら軽薄に見えてしまいます(夫妻そろってかなw)
僕自身が、そんな古くさい、面倒くさい、発展性のない、主観や美意識に捕われているだけだと言えばそうなんだろうけれど、でも僕が感じる違和感はそのズレにあるんだろうな、と思います。
もちろん個性的で、変わった設計をすれば良いという意味ではなく(むしろ逆で)でもつくっている本人が命を吹込むような気持でやらなければ、建築も、歳も良くならないし、方法論が先行してしまっている現状には限界があるんじゃないかと感じています。

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On 8月 6, 2012
by hase
in けんちくーよむ

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