長谷守保 建築計画

新建築6月

安田講堂の改修。築90年。長いのか?西欧から見れば大した事はないんでしょうけど、こうやって残す価値のある建物があることは建築が文化としてあり続けるためには必要ですよね。ただ、現代建築が90年後に大改修をする価値を持っているか?と言えば、ほぼノーじゃないかと思うと、現代の建築は文化とは言えないとも言えるかとも。


本号は学校特集で小中一貫校や今時の新しいタイプが色々載っていたんだけど、前から思っていたけど良く作られているCAtの学校など、どうにも子供のための雰囲気じゃないんじゃないかと感じる。
小嶋さんが山本理顕さんを引いて「制度化された空間がまさに子供達への『権力』となってしあみかねないということを、強く自覚する必要もある」と言っていて、確かに空間としてはそうならないようによく考えられているとは思うんだけど、やっぱりコンクリートのスケールの大きい、強い表現に僕はどうも違和感を感じる。ただ唯一、乾久美子さんの七ヶ浜中学校は、子供のための雰囲気をしっかりつくってますが、女性だから出来得たのだろうか。。その雰囲気は学校だけではなく、大人のための場所でも、安心感や落ち着きを感じるために必要だと思うし、もちろん住宅にも必要だと思う。住宅は小さいので比較的必然的にそれが出来易いけれど、大きくなると難しいのか?というところで安田講堂に戻ると、その雰囲気をきちんと備えていると思う。それは装飾だったり素材だったりがスケールが強く感じられすぎないようにしているんだと思うけれど、近代はその部分を切り捨ててしまって未だにそこの大切さが忘れられたままなんでしょう。
ただ、乾さんも装飾を足してる訳では決してなくて、空間全体やディテールのスケール感を丁寧に考えている+ほんの少し素材感を上手に加えているという感じかな。先日竣工した「まぐねっと」でも僕なりにそんな事を考えてはいました。

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On 6月 2, 2015
by hase
in けんちくーよむ

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