長谷守保 建築計画

新建築6月

南方熊楠記念館新館。CAt。ですが、先日小嶋さんお若くしてご逝去されましたが、やはり建築家というのはなかなか体には優しくない仕事なんでしょう。。

熊楠という人間には僕も大変興味がありますが、理性に基づく近代社会にとっては異端中の異端、とも言えると思いますが、優秀な頭脳とエネルギーを、理性と反対側にあるものを理解するために捧げた、大変な変人であったと思うので、もちろんそんな熊楠のために考えられた建築ではあっても、とても物足りなさを感じてしまいました。小嶋さんは横国の教授をしばらくされていたかと思いますが、建築がとても理性的な気がしていましたし、この建築もそうなのですが、じゃあ藤森照信さんが作っていたら僕のイメージに合ったのか?と言われると、それはそれでやっぱり違うような。。記念館、というからには熊楠を知るために訪れる場所に違いないのですが、単なる知識としての熊楠の偉業は得られても、本質的な部分、つまり変人としての熊楠のイメージからむしろ遠ざかってしまうような気がします。
熊楠は「粘菌」を随分研究したようですが、動物ではないのに菌の集まりとしてあたかも動物のように振る舞うそうでして、「動物/植物」と分類してしか捉えられない科学的思考の外側にあるような存在で、多分それに惹かれたんでしょうし、不思議なものに対する素朴な好奇心、みたいなものかもしれませんが、科学的思考、というのは不思議なもの/説明できないもの、から目をそらしていますし、建築というのも科学的思考の産物にすぎないから、上記の違和感があるのかもしれません。

話題の?GINZA SIX。こういう巨大なものには興味はないのですが、ファサードのデザインは谷口吉生さんのアイディアだそうですが、庇によって巨大なボリュームを分節しつつ、変わりゆくテナントのためにその庇の間に看板などを入れ替えられる「のれん」というアイディア。さすがだなと思いますし、巨大なビルというのは強い公共性を持つわけですから、もっと考えてほしいものだと思います。

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On 6月 9, 2017
by hase
in BLOG, けんちくーよむ

長谷守保建築計画

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