新建築12月
日建設計のホキ美術館。
ちょっと重みのあるのが出て来た。と言いたい所ですが、正直、どうも作為性が強く感じられ過ぎます。林昌二さんに是非評してもらいたいものです。パレスサイドビルを見よと。
大学のころから、どうも「現代建築」にずっと違和感を抱いていたのは、今思うと、その作為性なのかなと。それをデザインという言い方も出来るのかもしれませんし、その作為性があるからこそ、注目を惹くのかもしれない。でも裏を返すと消費されるデザインだという事なので、やはり僕は好きではないのです。
モダニズム建築など、真摯な建築というのは決して消費されていないように思いますし、それが僕は好きなのです。と、好みでもあるので、もちろん作為的な消費されるデザインこそデザインだと言われれば、それっきりで言う事はないのですが。
しかし、それを日建設計さんがつくられた、というのは僕は気に入らない。
ちょっと山梨さんとか、スター扱いされてるから??かもね。
他の作品たちにも同じく感じる中で、安藤さんの靭公園(懐かしい)の住宅は、久々に安藤さんの凝縮された空間を見られたように思いました。前から、安藤建築は住宅スケール(のみ)が良いと思ってたのですが、当然強い空間なのですが、作為性、というのは僕は感じません。
コンクリートと鉄とガラス、というものときちんと格闘し、きちんとコントロールしている。
話を戻すと、現代建築というのは、どうも素材に負けてしまっているような気がします。
ミースやコルビュジェ、ライトとか、それぞれに強い素材を使っていた訳ですが、決して負けていたなんて事はなく、だからこそ時代を超えた名作なのかな、と思います。
時代のこの軽薄さに違和感を抱いている方たち、沢山いると思うのに、何故口を開かないの??って思います。
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確かにポーラ五反田ビルの方がより作為性、作家性が薄くでも作品としては優れた大人の仕事という感じですね。
モダニズムが白かった理由とメディアの関係は間違いなくあるでしょうけれど、論理性から導かれるものは白でしかあり得なかったのかもしれません。西沢立衛さんは、消去法的に白でしか仕方ないような言い方をされてましたが。
ディーター・ラムスさんの話はとても面白いしデザインというものを再考させてくれますし、歴史を学ばない者に新しいものは生み出せないという事を知らせてくれる話だと思います。
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CG的発想というのは僕は決してしていないようには思うのですが、確かにCGも随分当たり前のように検討段階から使われ、一方の模型をやたらとつくる設計事務所のやり方も、CGを使うのとそれほど違わない結果を生んでいるように思います。つまり、模型やCGをつくって検討しているというのは、もちろん数知れない形態の可能性から何か一つを選び取ろうとしている仮定なのであって、その手段としてのCGとか模型というのが、結果ひとつ出来上がる建築に大きな影響を与えるのが当然ですよね。
ただ一方の安藤さん、青木さん、篠原さんなんかは、そんなプロセスではものはつくっていないので、「立体的空間把握がしやすい形態」では決してないというか。
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具象(身体など)からの発想と抽象からの発想という単純な構図で分けてみると安藤さん、伊東さん、そして西沢さんもそちらだと思いますが、他、最近の名だたる建築家は後者であって、そこが何となく共感を得られないところかな、と私観です。
最後に、不勉強かなと思いますが、インターナショナルスタイルは、フィリップジョンソンが仕掛けた、ある種の傾向を後で括った言葉だという認識があって、モダニズムの方が、その時代を素直に恣意性なしに括っているような気がしていて良く使っているのかもしれませんが、その辺りは人それぞれでしょうが、多分ニュアンスとしては大差なく、同じだと思ったりもします。
すんません。僕は言葉で食ってなくて、設計で食っているので、言葉は適当なところがあります(笑)
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>私に向けたものでしたら
全くもってそんなつもりも気持ちも無く、trsgrさんも私同様創作を迫れている中で、そこまできちんとした言葉を発せられる事に敬意を持っています。
僕の返事が(眠くなりつつ書いてたりで)いい加減なだけですが、trsgrさんは妙に、という位謙虚ですね(笑)。それもとても良い事だと思います。言葉の恐ろしさを感じれば、つねに謙虚にならざるを得ないとも言えるでしょうか。
伊東さんの「会社を維持するため」という本音が建築界の現状をとても物語っているように思います。
そして結果、建築が消費されるべきものになっていて、消費しやすいようにさまざまな軽薄な引用や、建築の発想、洗練の手法も流行り廃りのうねりの中にあるというか。
コメント欄での議論というのもどうやら無理もあるようですね(笑)というか僕の能力に無理があるのか!
またとことん議論ができるような機会があると嬉しいです。