新建築3月号/石上純也さん

  • 2008.03.05
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建築界の狩野英孝こと(冗談です)石上さん。2月に続いて、若手!!どうした新建築??
「神奈川工業大学KAIT工房」という、石上さん独立後建築では初めての実作なのですが、巻頭ですね。プロジェクトとしてはいろいろ取り上げられていたので、確かに話題ではありますが、自分より若いからひがんでいると思われると悲しいけど、でもちょっと作品としても話題倒れだろ!と感じてしまいました。
確かに建築としては新しいし、楽しげだし、是非見てみたいと思わせるものではありますし、こういう可能性も建築は秘めているんだ!という事を感じさせてくれるのはさすがだとは言えます。
商業的な発想で言えばもちろん成功なんですが、100年後に評価されるかと言うと、Noかな、だから建築として評価してはいけないのかな、とも思います。
インタビューの中で、「たくさんのスタディをしてきましたが、最終的に何によって決定したのか、という事を断定するのはすごく難しい。。何かに対してひとつずつ問題解決していったというよりも、全体や部分のさまざまな要素に対して、適切なバランスを『調整』していったという方がよいのかもしれません」という感じで、「なんとなくうまくいっている」空間だと言っています。
でもやっぱり建築家としての「意志」が感じられないように思ってしまうし、結局その事が、今後の年月に耐えられない原因になるように思います。
数歳違うだけだけど、感性が新しい時代に属しているんだろうなあ。。だからもしかして僕に理解できない価値をもっているのかも知れないなあ。。ともどこかで思います。
でもでも、建築とはやっぱり、クラゲのようではダメで、背骨がないとダメなんだと思います。そして、その背骨が「意志」なんだと思います。
建築をつくる過程では、とても沢山の判断を積み重ねなければいけません。そしてその判断の基準をどこに置くか。感性も大切だけど、やっぱり「意志」というものが貫いていないと、年月に耐えられるものにはならないと信じています。
それでも、今後石上さんがどう変わってゆくかは楽しみですね。
それにやっぱり写真は写真。できれば実物を見てまたコメントしたいと思います。