長谷守保建築計画

新建築1月

4ワールドトレードセンター。槇さんすごいな。というか元のも日系のミノルヤマサキなんだから、日本人すごいな!と言ってもいいかも。
最近、さすがに槇さんもご高齢なので作品も間延びかけてたなあと思ってましたが、さすがにこのプロジェクトは力も入ったんでしょうね。

911は2001年ですからもう随分経つのだけど、元のツインタワーのあったところはメモリアルパークとなりそれを囲むように幾人かの建築家が設計をしてますが、「落着いた、簡素で気品のあるもの」を目指して「ミニマリズムの彫刻のようなシルエットを持った形態」とするためにカーテンウォールのディテールと下層から上層への外形の変化に注力したようですが、良く出来ていると思います。

槇さんはアメリカも長くこの辺りにも良く来られていたそうで、積み重なった記憶というものがこの形を紡がせたのでしょうし、記憶というのは建築家にとってとても大事なものだとも述べています。ただ、高層ビルが立ち並ぶニューヨークで、有名なビルは多かれど、印象に残っているのは公園などのオープンスペースだと言い、ここでもこのメモリアルパークが主役だと言っています。

さて、日本でそんな良いオープンスペースがどこにあるでしょう。。槇さんは皇居は挙げていますが、近代以降意図的につくられたものとして日本であるだろうか?まあ大小試みはされていても、建物が図だという意識が強すぎるのか、、都市におけるビルの設計の作法、という意味では槇さんほどの経験と能力のある方は少ないのかもしれません。むしろ、自然の中でつくる作法は日本人は得意なんでしょう。

またある作家の言葉を引いて、大都市というのは余りに他人ばかりと出会う場所だから自らのアイデンティティや自己の領域の確保に意識的にならざるを得ない、そして現代都市で重要なのは建設についての技術やユートピア的な事ではなく、「自己と都市」との関係をもっと創造的に評価と分析をすべきだ、と。確かに経済など定量化できる形で捉えられ過ぎてますが、現象として我々にどんな心象風景を与えているのか、などをきちんと考えることが先ずすべき事なのだと思います。

最後に、あるシンポジウムで、槇さんが、今は既になんでもありの時代で依って立つべき建築理論も失われたけれど、「共感」というものはまだ残っていると話されたそうだけど、僕もそう思います。共感だけが頼りなのかもしれない。でも皆さん刺激的なものをどんどん設計するけれど、お互い、いや自らでさえも共感しながら設計をされているのだろうか??と感じます。

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On 1月 7, 2014
by hase
in けんちくーよむ

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