長谷守保 建築計画

新国立競技場について


明日こんなシンポジウムがあるそうで、その発端となった槇さんの論を読みましたが、設計をしているのに僕自身も何となくお祭り騒ぎに疑問も持たずに来てしまった事を恥ずかしく思いました。
もちろん違和感はあったのですが、出された情報(どのようにして立地や規模や用途が決められたかなど)が少なかったのですが、槇さんもそこは苦言をしてますが、神宮外苑というとても歴史的に意味と価値がある場所で、全天候型で8万人収容の競技場というのは、前の中国のそれ(鳥の巣)に比べても大きいし、日本の数十年後を考えれば、問題が山積しているはずなのに透明な議論が一切されてきていない、ということです。
まず立地する代々木公園は建ぺい率2%を超えては行けないはずの中で、30年前に隣接する東京体育館を槇さんが設計された時はとても苦労されたそうで、尚更、感覚的にこんな大きなものを建ててしまう事に対する様々な疑念を持ったようですが、読んでみると全くその通りという話ばかり。
そう言えば、我らが浜松城城公園も少し前に書きましたが、本来2%です。そして、市はこっそりと「都市公園区域変更」を行おうとしている。まあ似た事が更に大きなスケールでこの代々木で、東京都が行おうとしているのでしょうね。
なぜこうなってしまったかについて、「日本は市民社会を経験する事なく一足飛びに近代社会に突入する.封建社会の武士が構成した『お上』に代わって官僚の支配する『お上』が今日まで続いて」いて、「市民社会では市民がジャッジである」が「お上社会ではお上がルールなのだ。」というさすがしばらくアメリカで建築をやっていただけあり、こんな事は日本の建築家は言わないよなあ。
というか、仕掛けた側である安藤さんは、まあ「私がルールだ」という方ですからw、元々そこが問題の端緒だったのかもしれませんし、このシンポジウムのように、建築界の中でも槇さんの賛同者が随分集まっているようですが、今まで安藤さんは何故か?批判をされて来ませんでしたが、そろそろ安藤下ろしが始まるのかなあ。なんて思いますし、安藤さんは、小さい建築がとても良いですから、原点に戻られた方が素直に良いのではないかなあ、と思います。
まだ時間はあるようですが、ドでかいものが動き始めてしまったのを止めるのは容易い事ではありませんので、少しでも声を集めて、見直しの動きにつながるように、何かできる事があればしてゆきたいと思いますし、基本的には浜松城公園の事と同じ問題だと思っています。
追記

ネットで拾った別版完成予想図!
槇さんが言いたいのはこうなるよ。という事ですね。言葉は要りませんねw
でも、建築でもCGやらいろんな技術が進んで来ていますが、僕にはどうにも違和感があります。
先日も市内にできた、某有名事務所がつくった建物ですが、これはCG映えして気持をぎゅっと掴んだんだろうなーでも、実際はイメージが強すぎる割にディテールでそれを抑制できていなくて、近寄りにくくなっちゃって残念だなーと感じたのですが、CGに頼れば頼る程、完成はそんなもんだと思います。つまりそんなのつくっている時間があったら、出来上がりを少しでも良くするために設計図と向き合うべきだ!と思います。

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On 10月 10, 2013
by hase
in けんちくーかんがえる

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