長谷守保 建築計画

屋根構造の仮組み


少し前にもアップした、屋根構造の今度は実物ですが、工場で仮に組まれた状況です。
普通は、木造住宅でここまでしません、というかできませんが、施工側が検討のために自主的にやって頂いているものです。つまり難しくてつくってみないと問題が読めないということです。
もちろん、常に設計者として、可能な限りの検討をし、図面に盛り込み、現場が順調にそのままできるように尽くしているつもりですが、今回のこの屋根ばかりは、ちょっと読み切れないところがありました。
似たような形でもっと楽に設計する道もありましたが、どうせやるなら最高と思われる形を追求したいと思った結果、やはり難しくなってしまいました(^_^;)
難しい、複雑な形を求めたわけではなく、逆に、シンプルな形をもとめた結果なのですが、実は雑誌などでとてもシンプルにすっきり見えている建築ほど、そう簡単にできている訳ではなかったりします。
つくりやすく、それで美しかったら最高なのですが、美しいものというのは、ある程度つくる側のエネルギーを必要とするのが常です。
エントロピー増大の法則というのがありますが、放っておくと、秩序的な状況から無秩序的な方向にものごとが進むという(実は物理学のもっと違った概念ですが)法則で、例えられるのは、部屋は掃除、整理というエネルギーをかけないと、散らかる方向にしか進まないという事です。
ここで分かるのは、ある「秩序」を獲得するには、高いエネルギーを加える必要があるという事です。
ということで、シンプルで美しいと思われるものを生み出すには、エネルギーが相応に必要だということで、だから、良い設計をしようとすればするほど、大変なわけですね。

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On 4月 24, 2008
by hase
in けんちくーしごと

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