夢の実現のため?

  • 2009.05.10
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苫米地英人さんという著者は知らなかったのですが、書店でなんとなく面白そうだと思い読んでみました。
いわゆる「自己啓発セミナー」的な内容でなんとなく怪しげに思ってしまうのですが、脳や心の学問的な裏付けもあり、確かに読んでしまえば、偉業を成し遂げた人物が当たり前のように行ってきた事でしかないし、僕も無意識にやってきた面もあって素直に読む事もできたし、おすすめできる本でした。
ただ、どんな本でも主張でも、ある考え方のベース、パラダイムというか、があって、この本で言えば、「毎年生まれる新しい情報量は過去5000年に人類が生み出した全ての情報量よりも多い」という事実を前向きに捉え生きるべきだという事や、人間というのは皆大きな夢を抱き実現するべきだ、という事を是認する事が、そのベースにあると思います。ですがその2つは必ずしも肯定的にとらえなければならないという訳ではないと僕は思いますし、その考え方で言えば、未開の地の部族たちの人生は遅れたものであり、否定されるべきだという事になってしまうのはどうかと思います。
でも、現代社会というのは、この本の中でも書かれていた通り、大きな夢を実現できる可能性を秘める一方で、その夢に向かわせないような見えない力に満ちています。周囲から、そして、自分から、現状満足させようとして、自分で新たな判断をさせないようにされてしまっています。
だからこそ、偉業を成し遂げる人間は、他人から見れば「変人」に見えるわけでしょうね。
そんな見えない力から逃れ、大きな夢を実現する方法が書かれているのですが、簡単に言えば、ただ「夢」をもち、それが「実現」するイメージを強くもつ、という意識だけで、上記の足を引っ張る力から逃れられる、という事で、それをすれば、あとは楽しんで夢を実現でき、それは努力は要しないという事です。
また、「情報空間の中の支配者となると、相手は思い通りに動く」なんて書いてあって、人間の価値判断力なんてアヤシイもので、上手くコントロールできてしまうという、カルト教団の手口の基本となるような事も書いてありましたが、この本を買って読んでしまった僕も、まんまと著者に乗せられたなあと思ったりもします。まあ安い本代と数時間だけですが。
でも、確かに、大きな夢を持ち、実現できる!と常にイメージすることは、とてもとても大切だと僕も思います。だからこそ苦労を苦労と思わずに頑張れるのかなと。
僕も建築以外の本もそれなりに読むのですが、なんか結局仕事につなげて考えてしまいますね(^_^;)