長谷守保 建築計画

境界


内部写真ちょっと待ってください。
で、「境界」という日本の縁側や開口部などについての本で、隈研吾さんが監修として言葉を書いていたのですが。。余りそれには興味なく買ったのですが。。
サブタイトル「世界を変える日本の空間操作術」という辺りに隈さんっぽい意図が現れていたり、日本が優れていた「境界技術の洗練」こそが「近代」であると書いていたりして、そこにとても違和感があるけど、その違和感をきちんと考える事が今の自分には必要だと思いました。
ちょっと分かりにくいですね。。
確かに日本の窓や縁側や庭などという、単に内ー外という壁でないゆるやかな内外の連続のさせかたに対する洗練された建築の在り方というのは素晴らしく、近代建築に大きな影響を与えたというのは事実なんだろうけど、でも果たして、日本人が「操作」や「技術」なんて観点でやって来た事とは全く思えないのです。
そんな意味では、隈さんのつくられているものは、嫌いではないけれど、確かに操作、という人為的な、そしてちょっと軽いものに感じてしまって、日本の歴史が作り上げてきたものに何も勝っていないのではないかと思ったりします。
昨日、日経サイエンスの「ヒトにはなぜ毛がない」という実は僕が昔から興味があったネタの記事を読んでいて、学説に過ぎないと言えばそれまでですが、気候変動で、森林がサバンナに変わり食料も得られにくくなった中で、体を動かさなければ食料が得られず、ただ、動物全般に言える体温が上がり過ぎると生命に関わる、という状況で毛がなくなり汗腺が発達することで体温を下げる事ができたと、そして結果、体温上昇に弱い脳も発達することになった、というのがありました。
日本は今のエアコンに慣れた時代には感じにくいけど、夏の暑さは本当に辛いですよね。
日本の家屋は夏を旨とする、と言われるように、いかに夏を過ごしやすくするか、それは何より大切だったんでしょうね。上記の体温が上がるのが動物の最大の敵だという事を知ればなおさら。
今は空調があるからいいだろ!って言ってしまうのも一つですが、でもそんな技術云々ではない奥深い共同的な無意識レベルで、日本人は自分たちが本当に望むものを紡ぎ上げてきたのだと思いますし、それはちょっと様々な技術や設備が発達した程度で超えられるものではないんじゃないかと思っています。
毛がないのもそうですが、人間というのはとても特殊な存在ですし、僕は人間は退化した存在だからこそ様々な知恵をしぼって生きるしか無かったという立場ですが、その辺りを考えない事には建築というものも論じられないと思っているので、ついつい考え込んでしまいます。
まあ余計なことなのかもしれないですがねえ〜

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On 4月 20, 2010
by hase
in けんちくーよむ

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