長谷守保 建築計画

均質空間論/原広司さん


「空間<機能から様相へ>」に納められた第一章を読んだだけだけど、それぞれの章が独立した論文だし。。と言っても、原さんはとてもすごい思索をする建築家で話をまとめようとするつもりもないけれど、読んで考えたことを。。
「均質空間」というものを近代建築の中でミースが実現したことで、近代建築が終わり、また、新たな建築表現の起点となる、と書かれているように、「均質空間」というのは、今建築を考える私たちにとって、逃げられない(日本人にとっての日本語のように)もので、超えてゆこうと思えば一度きちんと捉え直さなければいけない存在です。
学生時代から、ミースという存在の位置づけが良くわからないままで、原さんのこの考えを知ってから数冊本を読んできましたが、ミースが決して意識的に「均質空間」を目指した訳ではなく、簡単に言えば、「近代」という時代の一つの結晶としてミースが実現した「均質空間」があり、つまりミースがいなければ他の誰かが実現したかもしれないけれど、ミースがとてもとても純粋に実現したということです。
「近代」という時代は、日本人には分かりにくいかもしれませんが、特に西欧人にとって、それ以前のとても重たい歴史様式などの「枠」から「自由」を目指した時代でした。逆に言うと、人間というのは、その「地」その「時代」に属していることでやっと安定して生きてゆける中で、それらから逃れようとする訳ですから、それらに代わる強いよりどころが必要だったと言えます。
それを、「均質空間」つまりどこまでも均質に座標が伸びてゆき、場所や時間などに制約されずにそれが自分を位置づけるような空間にもとめたということです。
そして、今の私たちは半分それを当たり前のように受け入れていたり、かと言って全てが均質空間になっている訳でも決してないのですが、とても強い影響を受けて建築がつくられて来たのは間違いのないことですが、それはまた乗り越えられなければいけない対象だという事に気づかなかればいけません。言ってしまえば、均質空間というのも、「近代」という閉じた時代の中で生まれたものだとも言えます。
ん〜〜。これじゃあ全然分からないですよね。。分かりたい人は買って読んでください。
でも、いつの時代も、しがらみを超えて新しい時代をきり拓いていかなければならないですが、そのためにも今までの時代のしがらみを鳥の目で見つめ直さなければダメですね。

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On 10月 23, 2008
by hase
in けんちくーよむ

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