長谷守保 建築計画

古寺巡礼/土門拳


先日書きましたが、土門拳記念館で、写真(にも)感動し買って来ちゃいました。
旅行記でも触れたかもしれませんが、お寺も仏像も、本来見られるべき姿というのがあると思う一方で、良いもの程、世界遺産になんてなってしまうと尚更、人ごみで、見やすく照明等浴びてしまって、軽薄に見えてしまっているのだと思っていましたが、この写真たちは、土門拳の審美眼でもって、本質がとても深く捕らえられていて、だから現物では感じられなかった感動や驚きを感じたのだと思います。
金色堂なんかも、入場料数万とって、入場制限して見せた方が、数は少なくとも、本当の価値を感じさせる事がその方が出来るでしょうから、その方が良いだろうし、そうなれば、僕は数万程度は払う価値はあると思ったりもします。
解説?で伊藤ていじが、「撮影という行為は、、高度に芸術的審美観をもつことが求められ、自らの美に対する哲学を持ち合わせている人にこそふさわしい」とつまり土門拳の事を評しているあたりで伺えますが、更に土門自らの文章で、中国や朝鮮から入って来た文化であるにせよ、そのイミテーションでは断じて無く、「日本列島が東漸する文化の防波堤となり、日本人が醇化発酵させた上澄液」であり、「芳醇な原液の香にどっぷり浸れる我々日本人は全く幸せ」だと言っています。
僕もこの歳になって、自ら建築というものに向かい合い続ける中で、やっとそんな感じ方に共感を覚え始めた時に土門さんの写真を見たので衝撃的だったのかもしれませんが、もっと早く感じられるようになれていたら、と正直に思いますし、浮ついてしまった日本人は「全く幸せ」なんかではなくなってしまったのだと思っています。
酒田市まで行くのは大変ですが、本書(いつでもお貸ししますよー)なり方法は色々あるでしょうから一度ご覧下さい。なーんだ、という程度に思われるかもしれませんが、そのうちきっと分かる時が来る!!と僕は思います。

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On 5月 18, 2013
by hase
in みるーよむーかんがえる

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