長谷守保 建築計画

人類はいつアートを発明したか?

このタイトルは「アート」「発明」の定義をしないと全く意味のない問いだとは思うけれど、今とても興味がある事なので買ってみた。
ラスコーやアルタミラの壁画は有名だけどこのショーベ洞窟の壁画は知りませんでした。アルタミラより少し新しいようですが36,000年前。


すごい躍動感があり、絵がうまくても簡単に真似できるものではないような質ですよね。次に25,000年前ごろのブラッサンプイの婦人と呼ばれるマンモスの牙の彫刻。

これも写実的というわけではないのに独特の美しさを感じさせます。ローマは2000年前、エジプトだって4500年前程度だから一桁違う昔にこんなものをつくっていたとは。今時のアートの定義は無視して、そもそもなぜこのようなものを描き彫ろうと思ったか?そのピュアな部分をアートと呼んでみたいし、今でもアートはそうあるべきだと思うのだけど、現代に近づくほどに、ある「個」が作家的行為としてアートをしていて、上のような大昔にはそれがゼロとは言わないまでも希薄だったと思う。例えば漁がうまい奴が漁に特化し、それを仲間で分かち合ったのと同じように、その集団がこのようなアートを必要としていてそれが上手なやつか描いた、と思うしそうだとしたら、やっぱり作家的行為ではなかったと言えると思う。
僕の興味はそれがいつごろからどうやって、作家的行為に変質したのか?そして今の作家的行為に見えるアート(建築も音楽も同じですが)の内に無意識的領域として、結構大昔と同じ質のものが残っていたり、それがあって初めて素晴らしいアートなりが生まれてくるのではないか?という事です。
言い換えると、無私の中にある表現というか、それこそアートの本質なのではないか?というか。でもこれらの太古のアートの背景には、今ではもう望むべくもないような、ピュアな自然。つまり偉大な不思議の塊というか、我々は何の疑念もなくただ従うしかない巨大なものだけど、日々とても新鮮な感動を与えてくれるようなもの、に接していたからこそ生まれ得たとするなら、やはり既に大きな断絶をしてしまっているのだろうか。。

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On 2月 2, 2015
by hase
in みるーよむーかんがえる

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