長谷守保 建築計画

パンデミック/ユヴァル・ノア・ハラリ


彼(僕より5つも若いのだw)の著書はずっと読んできているし、コロナへ権力者たちの対応がおかしすぎるので、読んでみました。
いつものように、「歴史学者だから」という前置きで、歴史に真摯に向き合うことで未来が見えてくる、というスタンスで書かれています。まずは感染症というのはペストなど、恐ろしくたくさんの命を奪い続けてきた、というのはコロナの前から彼の著書には書かれてきていて、ただ当時は科学的に何もわかっていなかったので、祈祷をするために集まって集団観戦をしたりもしたのだけど、現代では科学的にその敵の正体も分かり、世界で情報共有や協力もできるなど、感染症と戦うことができる環境に大きく変わった、ということをベースとして抑える必要があると言います。
そして科学的には医者や学者さんたちが最善を尽くしてくれていると思いますが、「情報共有」が「権力者」の都合の良いように操作されてしまうことが最も避けなければならないことで、例えば、中国のように個々人のプライバシーを全て犠牲にして情報を集めれば、確かに感染症も抑えやすいけれど、今だけ仕方ないから、と言って日本でもそれを行ったとすると、感染が収束した後も、間違いなく、まだ危険はそこにあるのだから、あなたたちのプライバシーは戻せない、と権力者は主張するだろう。
他方、「信頼関係」が共有されれば、つまり必要な範囲でしかそのプライバシーのデータは使われない、という前提があれば、私たちは喜んで自らの情報を提供するし、その情報がどう集められ、戦略化され、という情報が、権力者側から我々に明らかにされれば、その「信頼関係」に基づいて、感染症を抑え込んだり、さらには国同士の信頼関係によって、余裕がある国から様々な手を差し伸べて、世界全体の感染者を抑えることが、自国のため(自国だけ収束してもダメな事は明らか)だと全ての国が思うことができれば、最も効率的に感染症と闘うことができる。ということです。
一方で、トランプを名指しして、上記の「信頼関係」をぶち壊してきたし、本当はリーダーとしてアメリカなりが先導することが必要なのに、アメリカにはもうその期待はできない、とも。
さて、日本は感染者数こそ少ないけれど、そんな信頼関係が育まれているのか?
僕には、都合の悪い情報は隠して、恐怖を煽って、税金を自分たちの好きなところに流し込んで、未来にツケを回しているだけのように見えます。
当たり前ですが、観光業などどうしようもなく困っている業界は、政治家になんとかしてくれと言うでしょう。そしてあなたが政治家なら、自分を支持してくれる業界の有力者がお願いしたら、なんとかすると言うでしょう。でもどさくさ紛れに(国会で議論もせず情報も出さず)進めたいでしょう。

今の状況、未来にツケを回してでも国費を投入する事は必要ですが、信頼関係をさらに壊すようなやり方でばら撒き続けたら、著者も言うように、収束後、世界はますます悪くなり、でも信頼関係に基づいて克服できれば、いつかコロナが来たことも人類のためだった、と言える時が来るのだと思います。

税金で守られている皆さんよ。給与を返上しないなら、そんな信頼関係のために走り回ってくれないですか?あなたたちは公僕という意識が全くないのですか?

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On 10月 25, 2020
by hase
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