長谷守保 建築計画

バブル建築へGO!


変な雑誌を見つけて買ってしまいました。
「バブル建築」1980年後半から90年代はじめにかけてのバブル期に出来た、ポストモダン(とは限らないが)建築や、その頃建築家たちが何を考えていたかを、かなり軽い乗りで本にしてしまっています。
その頃僕は高校生から大学に入る頃で、大学で建築を勉強しだした頃は、バブルが終わりかけの頃でして、何だか難解な理屈で、形態をもてあそんでいるように感じ、馴染めなかった(同じ気持ちの学生が多かったと思う)頃でした。もちろんその前の「モダニズム」というものがあっての「ポストモダニズム」であり、それがたまたまバブル経済と同調し、より訳が分からない状況だったわけで、時代の前後を把握しないことにはもちろんバブル建築は理解できません。
という訳で、僕はかろうじてバブル建築が出来ている時代を知っている(本当に終わりかけでしたが)こともあり、やはりあの時代があって今の建築の位置づけもあるので、好き嫌いでなく理解はしなければいけないのと、この本にも書いてあるように、そろそろ消滅しつつある建築もあり、消えてしまう前にきちんと価値を位置づけないといけないという背景もあります。
東京新都庁舎のような、とても豪華で装飾過多なものでも、きちんと使われ、愛され、残ってゆけば何も問題ないと思いますが、一方では後先考えずに大金をつぎ込まれ、負の遺産になってしまっている建築はどうしようもありません。
ただ、、モダンが、どちらかというと社会や生産と言ったものに目を向けていたのに対し、ポストモダンはもっと個人的な感性や、人間といったものに目を向けていたという事は理解されるべきだとは思います。また、思想をふりかざして形態をつくっていた面はよろしくないにしても、形態をうみだす建築家は秘めておくにせよ思想をもっていないといけないですが、ポストモダンの反動か、思想が軽視されすぎているようにも感じます。
形態が人間にどのような作用をするかを考えるなら、その人間を左右している「身体」「意識」「意味」「象徴や記号」などを考えなければいけませんし、簡単に言うとそれが思想なんですね。
「経済」「機能」「性能」などに一辺倒の、現在の建築のつくられかたに対し、少しは、そのバブル建築たちに込められた、人間へのメッセージを読み取る努力をしたほうがいいのかな、と感じますし、それは大きな予算がなければできない、という事でもないと思います。

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On 12月 16, 2007
by hase
in けんちくーよむ

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