みんなのいえ

  • 2009.01.23
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もう随分昔の映画になりましたが、当時は冷めた目で見ていましたが、なんとなく観てみる気になり、観てみました。本もそうですが、受け止める側の気持ち次第で感じ方も随分違うもので、素直に観たり読みたいと思える時に受け入れてみるのが良いものです。
まあ基本喜劇ですからアホらしい部分があって当然だったり、プロから言わせればあり得ない!と思う部分があるのも当然でしょうけど、これから家をつくろうと思う人は観ない方がいいだろうな(と昔の映画なので今更ですが)思いました。でもそんな事言い出したらキリがなくって、「みない方がいいだろうな」というCMや本や番組、そんなもので溢れている世の中なので、個別にそんな心配をする方がアホらしいのかもしれない。。
まあ大事な事は一歩引いてみる事ができる事です。
今読んでいる本の中で、どんな問題でも緊急に考えるべき部分と、もっと本質的なレベルで考えるべき事が同時に存在していて、つねにその両側面を考えるべきだ、みたいな事が書いてあって、例えば家をつくるというのは今そうしようとしている方には緊急な問題でもあり、でも確かに本質的にもっともっと長い時間の中で考えるべきこともあり、という事ですが、ついついそのどちらかに視線が向いてしまっていることが多いですよね。
この映画も、まあそんな緊急な視線で関係者一同がドタバタし、喧嘩しつつも最後にはどこかそんな本質的な所で共有できるところをお互いに感じてハッピーエンド、みたいな感じでした。
言い換えるとお互いの立場を超えられない同士がいがみあっていたけれど、ちょっとだけお互いの立場を感じる事ができた、みたいな感じかな。
でも、どんな事でもそうですが、自分の立場を守る前に、お互いの立場を知ろうとする事から始める事が何より大切なんだと思います。僕もこんな仕事をしていて特にそう心がけているつもりがついつい自分の立場に寄ってしまった時にはやはりうまく進まなかったりしてしまいます。まだまだ修練が足りないなあって感じます。
でも、東大寺の南大門の梁の上に炭壺(大工の大切な道具)が見つかったという話があって、大工仲間の中では、それは神様と自分だけが分かるようにわざと置いて来たのだと、つまりはその大工は誰かに自分の仕事を誇りたいのでなんでもないけれど、とてもとても誇りを持ってその仕事を終えた、みたいに思われてる、という話があってとても大切な話だなあと思いました。
神も仏も(ついでに言うとサンタさんも)、自分の外に居て何かをしてくれるのではなく、自分の奥深くに居ると信じれば居るわけで、それは頼れる相手ではなく自ら追求し発見するべきものなんだなあと思ったりします。