長谷守保 建築計画

こちらも上棟


今週2つめの上棟、と続くときは続くものですが、やっぱりしばらく現場にいると随分汗をかくので、現場のみなさんの大変さが身にしみました。
手前がカフェ、奥が住宅。それぞれ勾配の強い屋根にトンネル状に覆われる空間になっていて、それは前面の幹線道路やカフェと住宅それぞれの視線を遮り、それぞれに落ち着いた場所をつくるためでもあり、その結果としての屋根が店舗だよというアピールにもなっています。
実はこの敷地の前に別敷地で提案したり、この敷地になってからも結構な変遷もあり、ここまで至ったというのは、僕としては結構感慨深いのですが、設計や施工の難易度も高くなっていて、良い意味での緊張感のある現場になっているかと思います。
設計の基本的なスタンスとして、窓を集めるべき場所と、窓をつくるべきでない場所、というのをいかに整理できるかが良い設計かどうかの大切な部分なのですが、その窓を作るべきでない場所を外壁にする一歩先の考え方として、屋根で覆ってしまったらコスト的にも合理的なんじゃないかというのがこの建築が発想された所です。
で、こういう屋根にすると室内に高い部分と頭が当たるような低い部分ができますが、ベッドや机などがある場所は必ずしも高い天井は不要な訳で、上手に設計をすれば、それなりに有効に室内を使う事ができ、また空間的なメリハリというか、洞窟のような囲われた、落ち着いた雰囲気とすることもできたりします。
モダニズムという拡張可能性を求めた姿勢が、天井はどこまでも同じ高さで続くような建築を量産してきましたが、このような洞窟的な場所というのはとても人間(というか動物)的な親しみを産んでくれると感じています。
あ、また竣工した時に同じ事を書くんだろうな(笑)
同業の方は、どうやって壁量を考えたの?とか思うかもしれません。
もちろん法的解釈も、現実的な強度も考えた上でやってますが、そんな簡単なこっちゃありません。ただ、三角形のフレームはご存知の通り強いので、基準法の評価以上に強くはなっていると思います。
僕にとって新たな、そして何か今後の展開につながる一つの仕事になりそうです。

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On 8月 20, 2010
by hase
in けんちくーしごと

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