BULLETS OVER BROADWAY

  • 2011.07.14
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マフィアのボスの彼女の大根役者オリーブを無理矢理出演させるしかない中で悩む劇作家デイヴィッド。彼女のボディーガードとしていつも稽古を見ていた部下チーチは、その劇に次第に口を挟むようになり、実はそれがとても良い内容で、デイヴィッドはこっそりアドバイスを貰いに通う。
次第にチーチは劇を素晴らしいものにしたいと想いを強め、オリーブさえ代わればと、最後には銃殺してしまう。そして。。とまあ全て書くのはやめましょうね。
ウディ・アレン監督だし、ストーリーも、配役や背景もとても行き届いています。
最初の方に、酒場の何気ない会話で、火事のビルからシェイクスピアの未発表原稿か名もなき人かどちらかだけ救うとしたらどちらだ?みたいなのがあって、それが多分この話のメインテーマなんだと思います。
芸術を追い求め,自分の人生を棒に振ったり、誰かの命を絶つまでしてしまう。
でも、芸術を例えば、お寺や仏像、教会や宗教画まで広げて考えてみれば、それによって心が救われ命を与えられて来た人は無数にいると思えば、命と比較できる重たさはあると分かります。
もちろん中途半端なものはここでは芸術の域ではなく、ボスの彼女を銃殺した事で喩えられた徹底したものこそ、人々の心を震わせ、生命と比肩される重さをもつ芸術となるという事かなと思います。
ま、そんな面倒な事考えなくとも、楽しく見られます。