30年後に売れる家?

  • 2012.08.01
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少し前に訳あってうちの少し遠景写真を撮りました。
中から外を見る時間が余りに長いので、たまに外から、それもこうやって引いて見ると、なんだか不思議なというか、自分のものなの?という気持になります。
ところで、「30年後に売れる家」って何やねん?と
何となく自分の設計へのスタンスというをたまには端的に表したいけど、そんな簡単に表せる訳でもなく、巷に溢れる余りに安易なキャッチコピーに紛れるような恥ずかしい言葉を発したくもないなあ、なんてずっと思っていましたが、少し言葉としては美しくないですが、やりたい事を示せているように思いました。
設計させて頂きながら、常に、施主の目先の満足ではなく、数十年後に良かった、と思ってもらえるものを目指しているつもりですが、ただ、例えば一世代の30年後までその施主家族が良かったと思えばそれで十分か?というのが欠けているように思うし、じゃあ寿命は30年くらいでいいじゃないか(だから今の日本の住宅はその程度の寿命なんじゃ?)というのを超えて、例えばいつか必然として、その家に住めなくなる、不要になる、という時点でもまだ価値があって欲しいし、遠くに住んでいた子供がそこに戻りたいが為に戻って来るとか、そうでなくても中古でも価値を認めた方にそれなりの対価で買われて住み続けられて行くとか、そうあって欲しいという希望ですし、それは今の時代でも可能だと信じています。
具体的に僕だって30年後、そろそろ寿命も近いでしょうし、そのときに安易に壊されるようなものだけはつくりたくないというのが強い思いでしたし、30年と言わず100年後も残っていて欲しいと願っていますが、それは「長期優良住宅」なんかとは全く違う次元のものだと思っています。
僕たちには思いを込めてつくる事しかできませんが、より強い思いを込める努力はできます。
そして何かが永続的に良い形で在り続けるには、「思い」が不可欠だと思っています。