新建築12月号/安藤さん

  • 2009.12.01
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安藤さんの「プンタ・デラ・ドガーナ再生計画」はヴェニスという、とても歴史的、施工的な意味での強い制約のある場所での仕事だったのですが、安藤さんが書いているように、フランソワピノーさんという人間との出会いによって、困難を乗り越えて実現したということでした。
まずは、安藤さんという人間の人間的な魅力と、様々な国の歴史や文化に対する真摯な姿勢と勉強、そんなことが、ほかの海外のプロジェクトもそうですが、世界のANDOをつくっていることが分かります。
僕は安藤さんという建築家は、人間として大変好きなのは、以前も書いたと思いますが、でも生み出された海外プロジェクトについては、???という気持ちです。
もちろん良く考えられ、良くできているのですが、敢えて日本人建築家を使う意味がどこまであったのか??と思ったりする結果に感じることが多いけれど、でも多分、ANDOというスタイルが、ある種の「商品」として採用されているとしか考えられないです。
確かにある種の魅力や独自性、目新しさは、特に海外ではあるだろうけれど、僕は基本的には、建築は、その地で育ち、その地に責任を持てる人間が、出来る限り行うべきだと思います。もちろんたまには、違った血を入れることは大切なのは言うまでもないですが。
海外での仕事の評価は置いておいても、でもそこまで安藤さんが来られたのは、やっぱり初期の小さな仕事から、建築にかけるエネルギーの異常さがあったからなのは誰もが認めるところでしょうし、やっぱり僕は安藤さんの小さな仕事が好きだな〜〜。
丹下さん、磯崎さんの時代と、建築家も大きい仕事を指向してきましたし、僕も本当は大きな仕事をしたかった面はありますが、でも今は、小さい仕事にこそ、魂が宿るような気がして、というか何か確信があります。