新建築11月

  • 2011.11.05
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西沢立衛さん軽井沢千住博美術館。いつもながらにこの「力み」を感じさせない(もちろん力まなきゃ出来ない)ところが素晴らしいですね。すまり素直というか、裏を返すと他の大多数が力んで素直じゃなく感じるという事なのですが。。
何故これができるかというと才能やセンスというより、ただスタンスや価値観が「素直」なだけじゃないのかな、と簡単に言ってしまいますがそう思います。そしてそのつくるべき世界像がブレずにしっかり持ってられるというか自分が為すべき事がちゃんと見えているというか。建築や写真で見ていても疲れないし、他方多くの建築は写真で見ていても疲れてしまう。
そんな意味でもう一つ、kw+hgアーキテクツの「武蔵のプレイス・堺南ふれあい広場公園」にも同じ質を感じましたし訪れてみたいですね。
たまに書いている事ですが「作為性」をいかに消すかというのが僕はとても大切な事だと思っていまして、じゃあ丹下さんのシンボリックな建築群はどうなんだ?と聞かれたならば、あれも一種、設計者としての作為性は消えていて、日本が無意識的に求める象徴性を浮き彫りにしただけ(そんな事とても簡単にできない)のように思います。
まあ、西沢作品も、今の時代からみれば馴染みのあるデザインにも見えますが、少し鳥瞰的に眺めればある種今の時代性をとても反映した象徴的な建築であるとも言えると思います。
30年とかもっと経って、どう歴史が評価をしているか?とか楽しみですよね。
そして、たまに書いてますように、僕は木材という材料をつかっていかに作為性を消せるかという事をいつも考えていて、地方都市の住宅には他の素材でなく木材である事がそれを為し易いと思ってやっています。