新建築4月

  • 2012.04.06
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保育園幼稚園特集ということで、流行りなのか木構造のが多いですよね。
この仙田さんのも含め、子供の施設ってわざとなのか(親しみのため?)野暮ったかったり要素がガチャガチャとうるさかったりが多くて、でも僕は他の建築同様もっと洗練されているべきだと感じます。もちろん洗練って=モダンとかミニマルでは決してなくて、世界各地や日本の集落は多様でありながらそれぞれが洗練されている、という意味での洗練ですし、多様さも表現できるはずなのに野暮ったく見えるのは単に設計が足りないからじゃないかと素直に思ってしまいます。
あと、幼稚園とか多分予算が限られるのが影響しているのかな?とも。(予算のせいにしてはダメ!)
味覚も聴覚もそして視覚もですが美しい(美味しい)ものに対する感受性ってすぐに損なわれてしまうと思うので子供の頃から良いものに接し続けないとダメになってしまって、結局手近なファッションとか雑貨や家電みたいなものにセンスを発揮するしかなくなってしまっているように思っていますし、殆どの家族が若いころに住む賃貸住宅というダメな箱が見る目を麻痺させてしまい、我が家をつくる時にも賃貸の仕様をただ大きくしたようなもので納得してしまうんじゃないかとさえ思っています。
ただ、被災地ので手塚さんが設計中の幼稚園は、津波で塩枯した樹齢300年の杉を使いお寺のように太い柱梁をシンプルに組んだものになるようで、手塚さんだから洗練の感じられるものになるのだろうと完成を見てみたいと思いました。
あと、千葉さんがプロポで取った大多喜町役場、既存の今井兼次を改修して増築していますが、全くもって既存部に負けてしまっている(と感じます)。恐らく写真でごまかされていて実物見ればさらにそう見えるんじゃないかと思いました。
モダニズムは歴史や時間を否定しているから隣にこういうものが並んでいる事を想定していない美学なのかなと。だから見比べて下さるな、という事かもしれません。
でもちょっとこの事は建築をやる人間としては正面から受け止めてみるべきだと思います。
そういえば、6年前にできた庫裏は四角い3階建の外形でしたが隣の本堂に負けないようにどうしたら良いだろうと随分悩んでつくったのを思い出しました。