新建築2月

  • 2011.02.03
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集合住宅特集で表紙のは、伊東豊雄さん、シンガポールのBELL VUE RESIDENCE ですが、その他国内のものもいくつかある中で、どうも、集合住宅、という建築形式に対する何か強い意志というものが感じられる作品はありませんで、丹下さんの東京カテドラルの改修の紹介がされていたのととても対比的に、どうも表層的な軽いものにしか感じられなかったです。
伊東さんのスケッチが小さく載っていて「HumanBeing is a part of Nature, Architecture is a part of Nature」と、そんな発想でつくられたのは伝わりましたが、出来たものからはそれは感じられません。
伊東事務所としても、余り力を入れられた仕事ではないんのでしょうね。
つまり結果が組織事務所的というか、骨格からディテールを貫く信念のようなものがないというか。失礼。
僕は基本的に、ほどんどの集合住宅というのは(戸建てもそうですが、それ以上に強く)売る側の論理でつくられていて、本当に集まって住むことが良いからそのように作られているのでは決してない所に大きな疑問を持っています。
そして建築家なんてのは、そこの一番始まりの部分にほとんどコミットできていません。
でも過去には、もうすこし意欲的な建築的な取り組みもあったように思うのですが??
それでも売れなければいけないという宿命の中、どうも建築が言い訳がましくなっています。
つまり、自然がどうの、空間構成がどうの。
同号月評で内藤廣さんが、西沢さんたちを評して「孤独感と緊張感」「世界の果てに立っている」「あからさまにリスクを取っている」と。やはり傑作には大きなリスクが必要で、八田利也(Isozaki)さんも傑作が生まれるためにそんな姿勢が必要と書いてましたね。
特に集合住宅というのは、供給者側にも、住人にも、そして建築家にも、そんなリスクを犯さない姿勢が強くなりがちなのかもしれません。って、分譲マンションなんて、住人にとっては僕は恐ろしいリスクを抱えていると思うのですが。