憑神/つきがみ

  • 2010.04.17
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けっこう良かったです。
貧乏神、疫病神、死神にとり憑かれかかりながら、その実直な生き方ゆえにそんな神をも味方にしてしまうという、妻夫木くんのキャラがとても良く生きた映画でした。
その実直さとは、つまり「無私」であるということ。
自分は先祖から受け継いだものをただ受取り、きちんと次代に伝えるだけの存在だと信じて決して自分のために生きる事など毛頭考えないような生き方。
僕は悪霊も死神も、迷信だと思いますが、でもそれは、人間の私利私欲の行き過ぎを抑えるための必要な存在で、やっぱりそんな抗えないないものへの恐れは人間には不可欠だと思っています。
話は飛んで、今日、引渡しをさせて頂いてきました。
3年越しでじっくり設計を進めて来て、大きな信頼も頂きながら、自分なりには良い結果になったとは思いますが、何となく、自分が設計をしたという意識が余りなくて、施主さんたちも自分たちの住まいだとまだ思えなくて、という不思議な感じがします。
施主さんたちは多分、引っ越して住まれればすぐに自分たちの家であると実感し始めるのかなと思うのですが、自分の中で実感が無いのはなんだろうな〜と改めて思いました。
比べるのは偉そうな気もしますが、僕もどこか無私な気持ちで設計をしているのかなと。
別に個性的な何かを自分がデザインしたなんて事は全く目標にしていなくて、ただ、どうすればより良くなるのかと、素直にそれだけ追求しているつもりなので、僕らの世界でいうアノニマス/無名な、でも良いな、って思ってもらえるものをつくる事ができればそれでいいやっていう感じだからかも知れません。
でも一方で、担当スタッフたちは、引き渡すと結構思いもあるようです。当然といえばそうですが。
もちろん僕も、そんなもの比較にならない位の思い入れはありますが、でも、自分がつくっているというよりは、何かに導かれてつくせて貰っている、という気もします。
何だか若くない言葉ですね(^_^;)
さて明日はまたオープンハウス。お天気は良くなさそうですが、僕としては晴れの場です。