建設業界これでよいのか

  • 2015.06.17
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ちょっと興味深そうな特集なので買ってみました。

タイトルの通り、今は儲かっているみたいだけど、危なっかしいよね。という。

その理由は、そう書いてあるわけじゃないけど、この業界の「不健全さ」が原因と言ってよいと思います。

つまり、本当に必要なものを、お金を出して使う人びとがきちんと理解をして、必要な範囲でつくる、という状態からほど遠いから。

経済のための公共事業や、節税対策の建設が多くある一方で、建物の価値に対する理解が余りに低すぎる。

でもそれは僕たち設計も含めた建設業全体が、責任の所在を曖昧にしたまま作り続けてきた結果であって、例えば設計業界も、モダニズムやら上っ面の、同業者にしか通じない内輪の評価軸で自己満足的につくってしまって来たから、例えばモダニズム建築の保存!なんて言っても一般の方には、なんであんな薄っぺらいものにそんな価値があるの?となってしまっているのだと思います。それを横目にゼネコン側は設計施工、というパッケージによる安心感で多くの仕事をしてきていますが、企業だから当然ですが、まず利益を確保した上での範囲でしか良いものをつくれるはずはないですから、特に長く価値の続くものをつくるのは難しいと思っています。

内田祥哉さんの言葉で「今の建築家は責任が重くなるのを嫌っている感じがします。それなら建設会社の下請けになればいいだけで、事実、そういう設計事務所もあります」というのはその通りだと思いますが、やっぱり責任を全て負う覚悟で設計をして、施工者とも戦わなければいけないし、設計者は設計料はもらっても、桁の違う額の施工費とは独立した存在ですから、自立した専業設計者だけが、上記の、本当に必要なものを必要な範囲でつくる、という判断をし得るのだと信じています。

が、設計業界もバラバラで、実力主義では恐ろしいからか、虎の威を借りたり、もしくはコソコソと仕事をしてますから、どうすればいいのやら?という感じですが、発注者が見る目を養って、きちんと実力のある人を選び依頼をする、そしてわれわれは選ばれるための実力をつける努力を続ける。しかないんだろうと思います。まあ以前にもたまに書いているようなことですね^^;