建築ジャーナル

  • 2011.08.04
  • BLOG


3年程前にも載ったのですが、建築ジャーナル8月号に8P程作品を掲載しています。建築の専門家向けの雑誌ですし、その辺りの書店に並ぶ性格のものではなく、掲載料を払うわけでもないので依頼されるがままになのですが、お付き合いさせて頂いている施工者さんたちに広告協賛は協力頂いているので、この場を借りてお礼申し上げます。
掲載された事がどうこうでなく、モノクロで出来上がってきたモノを見てちょっと思う所がありました。
人間も動物もそうですが、視覚、聴覚、触覚など、全てが敏感だったら恐らく情報量が多すぎて処理できないのか、何か一つが突出していて、でもそれが失われると他の感覚が卓越してくる、というような。同じく、普段は「色彩」というものに溢れてそちらに感覚が行っている分、モノクロになる事で色で誤摩化せない骨格やプロポーションが際立って感じられるというか。
普段から色に頼ってはいないつもりでも、それでも色が消えるとやっぱり寂しい。
真っ赤なトマトソースにちょっと緑が乗るだけでもすごく違って見えるように、植物の色が消えるだけでやっぱりとても寂しい。
青い空と曇天と、写真を撮れば分かるけどその違いの大きなこと。
それでもやっぱり自然の鮮やかな色たちというのは素晴らしいものだと改めて思います。
でもやっぱり僕は建築には色は使いません。
だって、自然の中にそんな素晴らしい色達があるのだから、それを取り込めば良いと思っています。
もちろん家具とか小物には、鮮やかな色を使ってもよいと思いますが、それは家具や小物は建築のように自然を取り込んだりはできないからです。
でも同時に、色が消えてやっぱり少し寂しく感じて、やっぱりモノクロでももっと美しく思える建築をつくらなければと、改めて感じました。