完成に向けて

  • 2010.03.11
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もう月末には完成してオープンハウスの予定ですので、現場も慌ただしく進んでいます。
最近は、仕上げ材とかも結構固定化でもないけれど自分が良いと思うものを使わせて頂くので似て来ているのですが、それぞれの住宅にそれぞれの強い個性はあるので、でき上がってくるのが楽しみで、かつドキドキもします。
敷地に余裕があるとプランのつくり方まで似て来てしまう面がある中、こちらは、まちなかの敷地の性格から、ちょっといつもとは違ったものが出来つつあり、苦労も多いけれど現場で出来上がりを確認するのが楽しみでもあります。
住宅設計をしていて思うのは、僕らの世界ではずっと言われているような事だけれど、LDKとか寝室とか、分断された機能の為の部屋がただ寄せ集まっただけの住宅にいかにしないようにするか、という事で、分かりやすく言うと、家族みんながワンルーム的なつながりも感じられる住宅でありたい、という事です。
まあ雑誌など見ていれば、本当にワンルームにしてしまったりして、空間的には面白いし写真映えもするでしょうけれど、本当にそこまでやっていいいの?という所もあり、そこは設計者のバランス感覚だとは思います。
この住宅も、個室には基本別れているけれど、連続性を感じられる大きな空間の中にそれぞれの個室があるような感じになるように、天井を張らずに木構造を延々と同じリズムで繰り返しています。
そして、今のところ、それに関しては結構うまく出来ているな、と思っています。
まあ、それを現地で説明しても分かってもらえないかもしれないですし、そんな説明をしてきた訳ではないのですが、ここは設計者としての隠れた(でも強い)メッセージだと思っています。
言葉では伝わらないし、すぐに分からなくても、きっといつか感覚的に感じてもらえると信じています。
言葉にできることは所詮浅い事です。
すぐに伝わることも所詮浅い事かと。
いつか、いつの間にか、何となく感じられるような事が本当に大切なのかなと思います。